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社会人ともなると忙しい毎日の中で積みプラが増えてしまいがち……。そんなあなたに代わって、ロボット&プラモデル大好き声優の泰勇気がプラモデル製作に挑戦するのが、この連載!
というわけで、「声優・泰勇気の週末プラモ!」第89回スタート!
泰勇気の週末プラモ 第89回 PLAMAX SV-01 1/24 Scale X・ATH-02 ストライクドッグ
マックスファクトリーのPLAMAXシリーズより「装甲騎兵ボトムズ」に登場するアーマードトルーパー(以下AT)「ストライクドッグ」が1/24スケールでプラキット化!
しかもこのモデル、ただのプラキット化ではありません! ベースとなっているのは、なんと1993年に同社より発売されたソフビキットなのです!
アニメ設定画に、オリジナルディテールを追加した緻密なデザインとなっており、発売当時はかなり話題となったキットでした。本商品は、固定モデルだったソフビキットをフル可動のプラキットとして商品化したものとなります。
当然固定モデルと可動モデル、ソフビキットとプラキットとでは設計思想なども全然違ってくるかと思うのですが、その辺りのこだわりなどは組立説明書の中にも記事としてこってり語られていますので、そちらもぜひご覧ください。
今回は素組みでのご紹介と、週末の土日でできる軽いひと手間を加えた作例をご紹介いたします。
まずは、素組みの状態をご覧いただきましょう。
素組みでもなかなか手ごたえのあるパーツ数のキットです。いちおう接着剤を使用せずとも形にはなりますが、部分的に「接着剤推奨」の個所があります。安心して触れるために、可動部以外の組立箇所は接着してしまってもよいでしょう。
それにしてもこのまとまりの良さ。感動しますね。
背部には、ミッションパックを取り外した状態のフックパーツが。ミッションパックを取り付ける際、このパーツを取り外して交換するという形になっています。
レンズやカメラにはクリアパーツを採用。クリアパーツの奥に水転写式デカールを貼る手順になっていたので、一部デカールはすでに貼り付けてあります。クリアパーツは無色透明なので、クリアパーツ自体にクリア塗料を使用するという選択肢もあります。
頭部の形状もさることながら、胸部の微妙なラインも大変ATらしくて美しいです。
後頭部のカメラも同様の構造。接着しなくても固定されるクリアランスなので接着剤不要。接着剤によるプラの変質による透明パーツの変色が防げます。
頭部アンテナもアレンジ形状。これは模型ならではですね。設定画のアンテナとは違ったアプローチで、シャープさが出ています。なにげにすごいのは、側頭部のリベット穴。金型、どうなっているんですか⁉
本体でパーツの継ぎ目が出るのはこの肩アーマーのみ。接着して継ぎ目消しをしてからの組みつけも可能です。また……
金型の都合でどうしても一部のリベットの形状が不自然な造形になってしまっている個所があります。継ぎ目消しをするにも、リベットを避けてヤスリがけをするのは大変煩わしい作業。ということでランナーには、ヤスリ掛けなどで失われたリベットを蘇らせるためのおまけがついています! もちろん手元にある別のボトムズキットに使用してもいいと思います。
腹部のライトの奥にはデカールが用意されていなかったので、クリアパーツの裏側に「GSIクレオス ガンダムマーカーメッキシルバー」を塗ってからはめ込みました。クリアパーツの形状も、オートバイや四輪駆動車のヘッドライトみたいな形状でリアルです。上半身も、パネルラインなどのディテールが大変説得力あるバランスと形で追加されています。
腰部フロントアーマーは左右で異なる形状を再現。
腰部のスカートアーマーは全て、二層構造のように見える造形……ではなく、実際に二層構造のパーツ分割となっています。これにより大きなヒケを回避しつつ、リアリティを持たせています。
膝の形状も左右での違いを再現。足の甲の装甲は腰部アーマーと同様に二層構造。つま先の分割ライン部分も同様の構造となっています。
かかとの装甲版も二層構造。しかも各アーマーは可動します。
腕部もエッジがしっかりしていて、非常に硬そうに見えます。手の甲の装甲は、やはり二層構造。手首の形状も親指が埋まりこんでしまうような立体の嘘を使うことなく、各表情を再現。さすがいい形状をしております。
ストライクドッグの左腕には鈎爪が装備されています。各爪は独立して可動。機関砲を展開した状態にも変形します。
背部にミッションパックを取り付けてみました。
ストライクドッグ初登場時はこの姿でした。そのミッションパックには手すりなど、設定になかったディテールが追加されています。
パイロットのフィギュアも大変よくできています。スタイルが素晴らしいというだけでなく、特にヘルメットや頭部のパーツ分割は塗装に配慮したものとなっています。
彼の名はイプシロン。悲しきPS……。
顔、特に眼の部分は、ここまで造形されていることはなかなか珍しいですよね。
そんなイプシロンが乗り込むコクピット内の造形も、しっかり再現されています。ATの中は狭いとは聞いていましたが、これは狭い!
コンソールには水転写式デカールを貼り付けます。フットペダルまで造形されていますね。
ハッチ側にもしっかりとディテールが。ハッチは開閉が可動式。ちょっとタイトめの作りだったので、開閉を頻繁に楽しみたい場合は、よくすり合わせをしておいた方がいいです。
頭部を取り外せばちょうどヘッドレストが見えます。
バイザーも開閉式で、枠の部分からコクピット内が覗けるようになっているのですが、このように抜けを隠すパーツも付属しています。
ポイントとなる可動部をピックアップ。肩の付け根はボディ側で前後へのスイングが可能。ボディの中があれだけ狭いのに、よくこのギミックを仕込みましたね。
腰部スカートアーマーは全て跳ね上げられます。本物の二重構造の説得力は半端ないです。
股関節の取り付け位置は、左右独立して上下にスライド可能。関節パーツの造形もしっかりメカメカしいディテールが入っています。
膝裏、かかとの装甲も可動。今回、降着ポーズギミックはオミットされていますが、アーマーがここまで動かせるのであれば、いつか降着ポーズのできるキットも発売するかもしれませんね。
ノズルの造形も、大きさに見合ったディテールとなっています。
ガシガシ動かして遊ぶフィギュアとは違い、こちらはリアリティを追求したプラスチックキットモデルなので、驚くような可動範囲があるわけではありませんが、そこがまたATらしいといいましょうか。「模型だな!」と実感できるところ。
右手首は指を開いた平手に交換してみました。
それでも可動範囲が狭いというわけではなく、片膝立ちも可能。右手首は力を抜いた平手に交換してみました。
関節の渋みもしっかりしているので、このくらいのポーズなら自立できてしまいます。
手の甲の裏側はご覧の通り。いつかアームパンチ再現用パーツなんかもリリースされると嬉しいですね。
ATの装甲など、いとも簡単に握りつぶしてしまう左手の爪は、一本ずつ独立して可動。
機関砲の露出形態も完全再現。展開した内部にもディテールが入っています。
ソリッドシューターは、武器握り手を組み付けた状態で持たせます。
ソリッドシューターの砲身は左右分割パーツなので、合わせ目が気になる場合は接着してからのヤスリがけが必要。大き目の武器ですが、関節がしっかりしているので危なげなく自立できます。
ソリッドシューター後部には、排熱口とマガジン(?)二つを搭載しています。
こちらのパーツは今回のキットでは使用しないパーツになります。前腕の破損状態再現用パーツですね。……ということは!? って、なりますよね~~。
週末の作業をイメージしたお手軽加工
それでは最後に、土曜日に組み立てとデカール貼りまで行い、一晩水分を乾かして、日曜日の午前中にクリアコート、お昼ご飯を食べた後に「ガイアノーツギルディングワックスシルバー」と「タミヤウェザリングマスター(すす)」を使ってウェザリング、という想定で製作したものをご覧ください。
「装甲騎兵ボトムズ」の世界観に基き、思い切ってウェザリングを施してみました。ATに関しては「やりすぎかな?」と思うくらいのウェザリングも成立してしまうことが多いので、ドライブラシはぜひこの機会に試していただきたい作業になります。
手首の形状も本当にいいので、ドライブラシも映えます。下半身、特に脚部は大胆にウェザリングを施してもいいです。
細かいことを考えると、戦闘中にマーキングが削れたりすることもありそうなので、一度貼り付けたデカールを部分的に削っちゃうという方法もありではないでしょうか。
ちなみに、これは成型色の上にウェザリングを施した状態となります。製品の成型色はやや明るめな印象をおぼえたので、黒系の塗料でウォッシングなどすると程よい暗さの青に落ち着きそうです。今回はその「色合いを暗くする」効果のために、ウェザリングマスターのすすの色を使用しました。
シルバーのドライブラシによるいわゆる「ハゲチョロ銀」にはじめて挑戦してみようという方は、今回の写真を参考にしてみてください。これが「やりすぎ」と思うこともあれば「もっと汚したい」と思うこともあると思いますので、その塩梅の基準としてもどうぞ。
今回の手首の造形はやはり非常にいいので、ハゲチョロのやりがいがあります。
今回、イプシロンの塗装は断念してしまいましたが、こちらもパーツ分割やディテールのおかげで塗り分けはやりやすそうでしたので、フィギュア塗装の初挑戦にはもってこいだと思います。
2023年に40周年を迎えたところから、ますます世間の「ボトムズ熱」の上昇ぶりを感じる今日この頃。各ホビーメーカーともアプローチが異なるため、選択肢が増えたというのはモデラーとしては嬉しい状況ですよね。
今回はPLAMAXシリーズからの「ストライクドッグ」のキット化でしたが、この方向性での別のATも見てみたいと思ってしまうのが「最低野郎(ボトムズ)」どもの性ですよね。特に、ストライクドッグの量産後継機「ラビドリードッグ」は誰もが望むところ。
続報を待ちましょう!
それではまた。
【商品情報】
■PLAMAX SV-01 1/24 Scale X・ATH-02 ストライクドッグ
・発売中
・1/24スケール
・全高:約175mm
・原型制作:ストライクドッグ:佐藤直樹(マックスファクトリー)、イプシロン:湯浅浩(マックスファクトリー)
・設計:相樂ヒナト(マックスファクトリー)
・協力:ハタ
・発売元:マックスファクトリー
・販売元:グッドスマイルカンパニー
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プラモデル初心者でも組み立てやすい設計で、パーツの装着もスムーズに行えました。可動範囲も広く、ポージングも自在にできるため、飾っているだけでも楽しめます!
声優の泰勇気さんがレビューに挑戦する姿に感動しました。彼の熱いコメントや演技によって、ストライクドッグの世界観がますます広がりました。声優ファンもプラモデルファンも、必見の作品です!