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北朝鮮の〝韓国奇襲攻撃〟が浮上 ウクライナと中東情勢の悪化、動きづらい米国〝台湾有事〟連動すれば「前代未聞の危機」
「韓国は厳重警戒態勢に入っている。北朝鮮の正恩総書記が施政演説で、戦時体制宣言を行ったからだ。ジェイク・サリバン米大統領補佐官も1月末、『北朝鮮が戦争準備しているシグナルがある』と記者団に明かした。こうしたなか、北朝鮮の『奇襲攻撃』情報が浮上している」
韓国の尹大統領は1月31日、青瓦台(旧大統領府)で、敵国の侵入に備える「中央統合防衛会議」と、軍幹部を集めた「全軍主要指揮官会議」を開催した。
尹氏はそこで、危機感をあらわに、「北朝鮮の政権は、世界で唯一、『核の先制使用』を法制化した非理性的集団」だと正恩氏を非難した。北朝鮮の攻撃(=軍事攻撃や無人機侵入、サイバー攻撃、虚偽情報の拡散など)に厳重に備えるよう指示した。
前出の外事警察関係者は「4月の韓国総選挙(定数300)が標的になっている。尹氏率いる『国民の力』は現有111議席と少数与党だ。負ければ、対北強硬路線の尹政権はレームダック(死に体)になる。北朝鮮が、韓国に潜入させた工作員に『尹与党を壊滅せよという命令を出した』という情報がある。『北朝鮮が計画する奇襲攻撃は、2010年に発生した韓国哨戒艦沈没事件や延坪(ヨンピョン)島砲撃事件を上回る規模』『Xデーが設定された危険がある』という情報もある」と語った。
事態は深刻だ。以下、日米情報当局関係者から入手した情報だ。
「北朝鮮の奇襲攻撃に対抗するため、米韓両軍の特殊部隊は北朝鮮に侵入して、正恩政権を一気に制圧する軍事作戦(斬首作戦)の訓練を重ねている。北朝鮮は1月下旬以降、戦略巡航ミサイル『ファサル(矢)2』などを相次いで発射した。イスラム原理主義組織『ハマス』が昨年10月、イスラエルを奇襲した。北朝鮮とハマスはつながっている。北朝鮮はハマス同様、ミサイル攻撃と同時に『青瓦台奇襲作戦』も立てている。韓国軍の一部からは『北朝鮮より先に制圧作戦を決行すべきだ』との声が出ている」
さらに大問題がある。中東情勢の悪化だ。
ジョー・バイデン大統領率いる米軍は2日、ヨルダンの米軍施設で米兵3人が死亡した無人機攻撃への報復として、イラクとシリアで125発以上の精密誘導弾を使った報復攻撃を行った。無人機攻撃は、親イラン武装勢力の連合体「イラクのイスラム抵抗運動」が実行したとし、イラン革命防衛隊で対外工作を担う「コッズ部隊」や親イラン民兵組織の7つの施設、85カ所以上の標的を空爆した。超音速戦略爆撃機B1B「ランサー」も参加した。
米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー戦略広報調整官は「イランとの紛争は望んでいない」と表明した。だが、イスラエルや米国内からは、「イランへの直接攻撃」を求める声が出ている。中東は全面戦争の危機に陥っている。
日米情報当局関係者の情報はこう続く。
「バイデン氏の報復攻撃決断は、11月の米大統領選を見据えたものだ。ドナルド・トランプ前大統領が共和党候補になれば勝てない。『バイデン氏が5月、病気を理由に出馬を断念する』という情報まで流れている。バイデン氏は米国民に『強い大統領』を見せて、劣勢挽回を図ろうとしている。ただ、米国は、ウクライナと中東、朝鮮半島の3正面対応は無理だ」
「近く、バイデン氏と中国の習近平国家主席の米中電話首脳会談が行われる。バイデン氏は『北朝鮮の暴走を止めてくれ』と要請するつもりだ。だが、中国と北朝鮮、イラン3カ国は『裏で手を握っている』。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領もいる。中国が『台湾有事』『尖閣有事』で連動すれば、米国は動けない。『バイデン外交は大失敗だ』という批判が噴出している」
前代未聞の危機だ。
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加賀孝英
https://www.zakzak.co.jp/article/20240207-ZO56IFNMSVKKFHFUOWB4O5CZVU/