2/5(月) 9:05
結婚できないのは自立心の欠如?
よくメディアは定期的に、「若者の恋愛離れ」や「草食化」が昨今の少子化の原因であるかのような報道をするが、当連載で何度も書いている通りそんな事実はない。
百歩譲って、結果として恋愛しない割合が増えているとしても、それは若者の価値観が変わったからそうなったのではなく、先にそうせざるを得ない社会環境があったためであり、先に価値観が変わったのではない。
そうした背景には、事実ではないことをさも事実であるかのように恣意的に述べる有識者がいるからでもある。
同様に、未婚化の原因を「若者の自立心の欠如」のせいにしたがる有識者もいる。
つまり、現在の未婚化は、「20~40代の独身男女の6-7割が親や親族と同居している。子どもを手元に置いておき、仕事や結婚に関してまで口を出す親が昔より増え、自立できない若者が増えている。結果、結婚しようとしない若者の“増産”につながっている」などと言うのだ。
しかし、これは全く違う。
親元に住む未婚者の割合
確かに、2020年の国勢調査の段階で、実家暮らしをする未婚男女は6割程度存在する。これは正しい。しかし、だからといって、それが2020年までに急に増えていった話でない。
2000年、2010年、2020年の20年間において、20-59歳までの親元同居する男女の割合は、それぞれ59.6%、59.5%、60.5%であり、多少2020年は上昇しているもののたいした違いはない。
具体的に、各年齢における親元未婚率を上記の20年間の推移で表したのが以下のグラフである。