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アジア杯地上波… まさかの日本全敗 OBが低迷危惧「野球のWBCも優勝したからこそ、あれだけ盛り上がった」
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング17位)は、2月3日にカタールで行われたアジアカップ準々決勝でイラン代表(同21位)と対戦し、1-2で敗れてベスト8敗退が決まった。
「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、サッカー人気やサッカーコンテンツの未来を危惧している。
今回のアジアカップでは、スポーツチャンネル「DAZN」が日本戦を含む全51試合をライブ配信。
地上波では、テレビ朝日系列がグループリーグ第2戦のイラク戦に加え、準々決勝のイラン戦を放送した。
結果的に地上波放送の2試合はいずれも1-2の敗戦で全敗。それ以外の3試合(第1戦ベトナム戦○4-2、第3戦インドネシア戦○3-1、16強バーレーン戦○3-1)は勝利しているなか、金田氏は率直な思いを語っている。
「たまたまとはいえ、地上波放送の2試合で連敗。これは残念極まりない。勝負の世界だから仕方ないのは分かっている。不運と言えばそれまでだが、地上波だけで見た人からすれば『なんだ2連敗かよ』という話で終わってしまう。なかには『よく戦った』『頑張った』と言ってくれる人もいるだろうし、全員が全員ネガティブな印象を持っていないと思うが、それでも地上波放送で連敗はあまりに印象が悪すぎるのは否めない」
現場目線で「選手からすれば、相手がどこであれ簡単な試合なんて1つもないと思っているだろうし、自分の経験を振り返ってもその気持ちは痛いほど分かる」と明かす金田氏だが、一方で日本代表のイメージについても言及する。
「ただ一般層からすれば、カタールW杯で強豪国を撃破し、2023年に連勝街道を走るなかで『強い日本代表』として見て、期待もしていた。そういうふうに見られていると分かったうえで、結果を出すしかないのがプロスポーツの世界だ」
金田氏が危惧するのは、試合内容も含めた負け方であり、日本代表を取り巻く状況についてだ。
「結局、やっとアジアカップに興味を持ち出したところで日本が敗退。ひょっとすると『日本ってこんな弱いの?』『優勝候補じゃなかったの?』という印象しか残らなかった人もいるかもしれない。しかも試合内容では、守田英正の見事なゴールで先制こそしたが、後半は守勢に回ってシュートも満足に打てないような状況だった。運悪くというより必然の敗戦と見えてもしかたない。さらにイラン戦の前には伊東純也の件でチームが揺れていたなか、追い打ちをかけるように敗退。まさに弱り目に祟り目だ」
募る危機感…テレビ局がサッカーコンテンツから一斉に手を引いたら?
アジアカップ前から日本代表の優勝を切望していた金田氏は「悲しい結果だ」と嘆き、サッカーコンテンツの行く末も案じている。
「テレビ局はコンテンツの価値を数字で判断するだろうが、それでもサッカー人気の浮き沈みと密接に関係してくる問題だ。放送するたびに負けるとなれば、勝てない試合にどれだけ巨額を投じ続けるのかという意見もあるかもしれないし、社内で当然議論されるだろう。プロの世界、特に代表レベルでは勝ってこそという側面もある。野球のWBCも優勝したからこそ、あれだけ盛り上がった。仮に早期敗退していたら、逆に盛り下がっていただろう」
今回のアジアカップでは、結果的に地上波放送の2試合で連敗を喫した森保ジャパン。
金田氏はコア層ではなく、“新規開拓”の面で不安を口にする。
「結果として見えないところでサッカー人気に影響が出てくるだろうし、将来は心配になる。コア層は引き続き応援してくれる。ただファンの新規開拓という面では、今回のアジアカップがどれだけプラスに働いたかということだ。むしろ一般層は、今までよりも興味を失った可能性すらある。たとえば、今回のアジアカップでプレーする日本代表を見て、『〇〇選手のようになりたい』と思える子供がどれだけ出てきたか」
アジアカップ8強敗退の影響がどれほどあるのか。金田氏は、日本代表が挽回する機会に期待を寄せつつも、時代の流れに危機感を募らせている。
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