2/5(月) 15:44配信
(ブルームバーグ): 中国系オーストラリア人作家、ヤン・ヘンジュン(中国名・楊恒均)氏は5日、北京の裁判所で執行猶予付きの死刑判決を受けた。ウォン豪外相が発表した。この1年半にわたり改善しつつあった豪中関係にとって、大きな打撃となる。
同相の声明によると、2年の執行猶予後に無期懲役に減刑されることもあり得るという。
ウォン外相はキャンベラでの記者会見で、豪政府はこの判決に「驚愕(きょうがく)」しており、中国大使を呼び出したと説明。豪州の駐中国大使を召還することはないという。
ヤン氏の友人でシドニー工科大学の馮崇義准教授によると、ヤン氏は豪州に移住後にブロガーとなり、自らの経験を基にした一連のスパイ小説を出版。移住前は中国外務省の職員だったという。中国政府はヤン氏が政府職員だったことはないとしている。
ヤン氏は2019年1月、定期的に訪れていた中国で当局に身柄を拘束され、その後、スパイ容疑で正式に逮捕された。同氏の裁判は21年に非公開で行われた。ここ数年、ヤン氏の健康状態が懸念されており、同氏は支持者への書簡で腎臓病を発症したと伝えていた。
ウォン外相は5日、豪中当局の間でヤン氏の健康状態が議題の一つになっていると語った。