自民党の派閥の政治資金パーティー券をめぐる裏金事件で、東京地検特捜部に政治資金規正法違反の罪で略式起訴され、議員辞職した谷川弥一前衆議院議員(82)。東京簡裁は1月26日付で罰金100万円、公民権停止3年の略式命令を出した。
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谷川前議員は、同罪で略式起訴された秘書(47)と共謀し、2022年までの5年間で、所属していた「安倍派」(清和政策研究会)から受けたキックバック計約4300万円を資金管理団体の政治資金収支報告書に記載していなかった。
東京簡裁はまた、約3000万円の収入を不記載したとして略式起訴された「岸田派」(宏池会)の元会計責任者の佐々木和男氏についても、罰金100万円、公民権停止3年の略式命令を出したのだが、このニュースが報じられると、SNS上では驚きの声が広がった。
《4300万円の所得を隠して罰金100万円?》
《罰金100万円はいくら何でも安すぎるだろう。4000万円を丸儲けじゃないか》
《これは真面目に納税するのが馬鹿らしくなる。なんだ罰金100万円って》
■国税通則法ではキックバック不記載は「隠蔽・仮装」行為の疑い
動揺する投稿が相次ぐのも無理はない。一般企業などで売上の過少計上や経費の架空計上などの「脱税行為」があった場合、本来納めるべき納税額(追徴税)に加え、重加算税や延滞税を合算して納めなければならない。
国税通則法では、重加算税などが課される基準を挙げていて、そのくだりには「国税の課税標準等又は税額等の計算の基礎となるべき事実の全部又は一部を隠蔽し、又は仮装し」とある。
そして、その主な「隠蔽・仮装」の具体的行為として、二重帳簿の作成や帳簿書類に記録をせず、売上げその他の収入(営業外の収入を含む)を除外していること、などが例示されているのだが、裏金事件のキックバック不記載は、「帳簿書類に記録せず」「収入を除外している」行為。「脱税行為」に当たると指摘されても不思議はない。
さらに「無申告」や「重加算税」で罰則を受ける際、過去5年以内に同様の行為がある場合は悪質と判断され、通常の税額よりも高い45%の重加算税がかかる。4000万円の所得を隠し、それが常習的に繰り返されていたとすれば納税額は通常で考えても数千万円。場合によっては4000万円を超える税金を納める可能性もある。さすがに「100万円」では済まないだろう。
《政治資金の流れこそインボイスにするべきではないか》
《政治家こそマイナンバーとインボイスを紐づけにするべき》
怨嗟の声は広がるばかりだ