日本の「サラリーマン」とは?
ウクライナ戦争、サプライチェーンの停滞、新型コロナの影響による物価高で、日本のサラリーマンはランチを食べるにも財布の紐を締めざるを得ない
数万軒もの飲食店がひしめき、ミシュランの星付きレストランも数多くある東京。そんな街でも、1日500円程度でランチを済ませるなんて本当にできるのだろうか? しかも、連日、似たような質素な食事を食べ続けることなく、である。
日増しに懐が寒くなるばかりの都内のサラリーマンによれば、その答えは断固として「イエス」だ。
20年にわたる「デフレの罠」に続き、ウクライナ戦争、サプライチェーンの停滞、新型コロナのパンデミックの長引く影響が重なり、日本は物価上昇への順応を余儀なくされている。ほかの先進諸国を苦しめたインフレ率の高騰という最悪の事態は免れたものの、家計は引き続き倹約を強いられている状況だ。
つまり、典型的なサラリーマン(職場の近くでランチを取るのが習慣で、毎月のお小遣いの大半を同僚との義務的な飲み会のために費やす男性会社員)にとっては、厳しい時代の到来を意味する。
2021年、輸入牛肉価格の高騰により、牛丼チェーンの吉野家が並盛(サラリーマンの定番ランチ)を7年ぶりに値上げしたときには、多くの会社員がショックのあまり思わず息を呑んだ。