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【悲報】 中国代表「弱体化」の元凶、〈偽りの名監督〉李鉄の公開懺悔・・・
ただ私は、中国ウォッチャーを名乗っている手前、そんなニュースも追わないといけない。ああ、退屈!
と思っていたら、あくびの止まる番組を見つけた。日本で言うなら「NHK特集」のような番組だ。
タイトルは、『引き続き力を込めて深々と推進する 第4回 「三不腐」を一体になって推進する』。
要は、「反腐敗キャンペーン」の4回シリーズ番組(各回1時間弱)の最終回だ。「三不腐」というのは、
最近の「習近平語録」の一つで、「腐敗をしない、腐敗をできない、腐敗をしたくない」(不敢腐、不能腐、不想腐)という意味だ。
ー中略ー
それが今回のテーマは、「腐敗にまみれた中国サッカー界」だったのだ。
「悪役」は、かつて中国サッカー界最大のヒーローだった李鉄(り・てつ)元中国代表チーム監督(46歳)である。
・中国サッカー界の伝説的プレーヤー
ー中略ー
・指導者としても好成績…
中国代表としての出場回数は、93試合。
まさに中国サッカー界に君臨した李鉄だったが、ここから指導者として「第二の人生」が始まった。
2012年、後に親会社が破綻問題で世界を揺るがす広州恒大チームの監督補佐となり、チームを優勝に導く。
2014年からは、中国代表チームの監督補佐にもなる。
2015年8月、「一部リーグ」(中甲)の河北華夏の監督となる。
チームはそれまで6位に低迷していたが、李鉄監督に代わってからは破竹の8連勝を決めた。
CCTVの映像を見ると、勝利するたびに、スタジアムは大歓声である。そしてついに、河北華夏は、悲願だった「スーパーリーグ」
(中超)への昇格を果たしたのだった。マスコミは「奇跡」と称え、李鉄監督は再び、中国サッカー界の寵児となった。
だが「奇跡の8連勝」は、実際には中国語で言う「偽球」(ジアチウ)=八百長試合の賜物だったのだ。
・チーム大躍進の陰で行われていた不正
例えば、最終戦となった深?宇恒戦は、勝つか引き分けで「スーパーリーグ」への昇格が決まる試合だった。
李鉄監督率いる河北華夏はこの試合も、2-0で勝利した。
だが、番組中の本人の「獄中インタビュー」によれば、李鉄監督と河北華夏は、1400万元(約2億8000万円)の資金を使って、
相手クラブチームと監督、選手たちを買収した。
深?宇恒にとってはただの消化試合だったため、河北華夏からの「申し出」にあっさり応じたという。
さらに李鉄監督は、これとは別に相手DFの黎斐(り・ひ)を600万元(約1億2000万円)で買収。
ファウルしてPKを取られることなどを頼んだ。
獄中でほっそりした顔つきになった李鉄は、カメラを前に、低い声で語った。
「私は選手時代、こうしたことに手を染める選手を、最も憎んでいた。
だが監督になったプレッシャーの中で、どうしても勝たねばならないという思いから、自分も同じことをやってしまった……」
以後、「偽球」に味を占め、「名監督」として、中国スーパーリーグで名を馳せていった。
・念願の「代表チーム監督」の座を射止めるために
そんな李鉄監督の次なる野望は、中国代表チームの監督になることだった。
「私は本当に、代表監督になりたかった。そのため、やれることは何でもやった。
サッカー協会の幹部に会って、推薦してくれるよう頼み込んだ……」
最大のターゲットは、中国サッカー協会の陳戌源(ちん・じゅつげん)主席だった。李鉄は陳主席に、
200万元(約4000万円)を積んで頭を下げた。
さらにサッカー協会の劉奕(りゅう・えき)書記長にも100万元(約2000万円)を差し出して、保険を掛けた。
そしてついに、2020年1月、念願の中国代表監督に就任する。すると翌日には、武漢卓爾チームの本社に飛んでいた。
今度は資金を回収するためだった。
李鉄新監督は、この二流チームの4人の選手を、代表チームのレギュラーに抜擢することなどと見返りに、
6000万元(約12億円)を手にしたのだった。
ー後略ー
近藤 大介
全文はソースから
JBpress 2024.1.26(金)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/79095