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韓国最高裁判決から3か月、盗まれた対馬の仏像戻らないまま…前住職「返還の情報全くない」
仏像は、県指定有形文化財の「観世音菩薩坐像(かんぜおんぼさつざぞう)」。2012年10月、観音寺の本堂から韓国人窃盗団に盗まれ、韓国に持ち込まれた。窃盗団は翌13年1月、韓国の警察に逮捕され、その際に回収されたものの、仏像は返還されなかった。
すかさず韓国中部の浮石(プソク)寺が、所有権を主張。仏像内で見つかった文書に浮石寺に関する記述があったなどとして、「14世紀に倭寇(わこう)によって略奪された」などと訴え、保管する韓国政府に対し、引き渡しを求めて提訴した。
1審の大田地裁は浮石寺の主張を認める判決を下したが、大田高裁は1審判決を取り消した。大法院は昨年10月26日、所有権が観音寺にあると認め、浮石寺の敗訴が確定。盗まれてから11年の歳月を要した。
まだ戻って来ない仏像について、観音寺の檀家(だんか)総代長を務める村瀬辰馬さん(69)は「韓国も法治国家だから戻ってくるのは間違いないはずだが、時間がかかりすぎている」と気をもむ。その上で、「ご本尊様は地元住民の心のよりどころ。返還後はお祝いをしたいと思っている。早く戻ってくるように国も県も強く働きかけてほしい」と注文を付ける。
文化庁によると、現時点で韓国側から返還の時期などについて公式な発表はないという。同庁は「引き続き早期返還に向けて取り組んでいく」としている。
田中さんは「相手は何の意味もなく、根拠のない言いがかりを付けるだけの裁判だった」と振り返りながら、「返ってくるメドが立たず、振り出しに戻ったようだが、手を合わせる日まで闘い続ける」と強調した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/07368e6a5d047242ab0307d24342623e9b4aab84