産経新聞
大学入学共通テストに臨む受験生ら=13日午前、東京都文京区の東京大学(鴨志田拓海撮影)
大学入試を乗り越えた元受験生たちに話を聞くと「模試はE判定が続いた」という人も少なくない。それもそのはず、E判定の割合はその大学を志望する受験生のおよそ6割を占めているのだ。
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毎年延べ230万人が受験する大手予備校「河合塾」の模試を例に挙げると、A判定は合格率80%以上▽B判定65%▽C判定50%▽D判定35%▽E判定20%以下-といった具合で、15ポイント刻みで、志望大学への合格の可能性を示している。
「合格率20%以下」だと突きつけられるショックが大きいが、志願者の半数以上がE判定だと知れば受け止め方も変わるだろう。各ランクの受験者の分布は均一ではなく、A~Eまで2割ずつ均等に分布していると誤解している人が多い。
E判定が出ると、直ちに志望校を変更するという人もいるが、E判定のなかにもD判定に近いのか、そうでないかで大きく違う。判断は慎重になるべきだという。
教育関係者の間では秋から冬にかけて成績が急上昇する「現役曲線」が見られるという指摘もある。秋の模試では、調子が悪くてもじわじわと成果が出るのもよくある話だ。
合格判定はあくまでも目安。地道な努力をすることが前提だが、受験関係者たちは「模試判定だけにとらわれず、本番に挑んでほしい」と話している。