これまでは、各テーブルに置いてある注文用紙に利用客が番号を記入して店員に渡すスタイルだったが、どのように変わったのだろうか。
筆者が都内の店舗で体験した内容を交えながら解説する。
テーブルで見つけた小さな「札」
入店後、店員に案内されてテーブルに移動すると、長方形の小さな札を見つけた。
札には「いらっしゃいませ」「テーブル番号24」「注文用QR」といった情報が記載されている。
見た目は、小売業界で導入が進んでいる電子棚札(画面が電子ペーパーになっており、価格などをリアルタイムに変更可能)に似ている。「この小さな札は何だろう?」というのが最初に見たときの感想だ。
テーブルの上には、いつものメニューブックに加えて「セルフオーダー ご注文方法」と書かれたシートが置いてある。このシートによると、利用客の持つスマートフォンのカメラで、札に表示されたQRコードを読み取り、自分で注文する方式だという。
なお、口頭での注文を希望する場合は、テーブルにあるベルでこれまで通り店員を呼び出せばよいとしている。
早速、自分の持っているスマホで注文用QRコードを読みとってみた。テーブルの利用人数を入力すると「メニューブックから番号を入力してください」という指示が。メニューブックを開き「5103」と入力したところ、「単品ドリンクバー」というメニュー名と「次へ進む」ボタンが同時に出現した。
単品ドリンクバーを注文かごに追加した後は、次の注文をどんどん記入していく。一通り希望するメニュー番号を入力し終わったら、正式な注文ボタンを押す。
(略)
新方式の狙いは?
サイゼリヤの広報担当者によると、スマホで注文する方法を導入し始めたのは2023年の冬頃だという。現在、新方式の導入を進めているフェーズであり、紙による注文方式と入れ替わっている最中だ。
新方式の狙いについては「お客さまが注文したい時に注文できるなどの便利さ、注文作業時間の削減、低投資などの効果を見込んでいます」と説明する。
「低投資」というのは、他の外食チェーンで見られるような注文専用のタブレットが必要ないといったことを指していると考えられる。