あわせて読みたい
日本のサッカー需要と人気低下の危機…「サッカー人気がさらに萎む可能性」「代表戦の地上波放送がさらに遠のくかも」
「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、「代表戦の地上波放送がさらに遠のくかもしれない」と危惧している。
今回のアジアカップでは、スポーツチャンネル「DAZN」が日本戦を含む全51試合を配信する一方、地上波ではテレビ朝日系列でグループリーグ第2戦のイラク戦と準々決勝、準決勝、決勝の最大4試合(日本が勝ち上がった場合)を放送予定となっている。
金田氏はイラク戦の敗戦を受けて、「グループリーグ3試合のなか、初戦のベトナム戦と第3戦のインドネシア戦は地上波で放送がない。そして今回、地上波で放送された第2戦で、思わぬ敗戦となった」と嘆く。
2023年に連勝街道を走り、好調をキープしていた森保ジャパンだったが、「地上波が放送されたタイミングで敗れたのは痛恨だった」と金田氏は続ける。
「選手やスタッフにとっては、地上波放送の有無に関係なく、どの試合も大事な一戦で、ベストを尽くすのは変わらない。ただサッカー人気という意味では、多くの人が見たであろう地上波放送で敗北というのは、なんともタイミングが悪いのも事実だ」
今回の敗戦を受けて、金田氏はサッカー需要と人気の低下を危惧する。
「客観的に見ると、今回の敗戦によってテレビ局のサッカー需要がさらに低下するのではないかと懸念している。
圧倒的な強さを見せ、見る人を楽しませた展開とは言い切れなかっただけに、サッカー人気がさらに萎む可能性もある。そういう意味では、単なる1敗以上の意味合いを含んでいると思っている」
イラクに敗れた日本代表はグループ1位通過の可能性が潰えた。24日の第3戦インドネシア戦は引き分け以上で2位通過となるものの、韓国代表がグループEを1位通過した場合は16強で日韓戦となり、早くも山場を迎える。
金田氏は今後を展望し、最も避けたい結末について語る。
「イラク戦で久しぶりに日本代表の試合を見てみようと思った人は、ひょっとしたらがっかりしたかもしれない。サッカーを取り巻く環境を考えたら、さらに厳しくなった感もある。
今大会のアジアカップで、このあと地上波でやるのは、日本が勝ち上がった場合の準々決勝、準決勝、決勝の3試合。仮に日本が16強で敗れたら、地上波放送は今回のイラク戦のみ。
一般層にとっては、日本代表がイラクに負けた印象とともに、いつの間にか大会敗退というニュースが流れるだけという悲しい結末もあり得る」
日本代表の優勝を強く望む金田氏だが、万が一の事態も想定し懸念を払拭できずにいる。
「日本代表は優勝候補と目されていながら、地上波で1勝も放送されることなくアジアカップを終えるかもしれない。そうなってはサッカー界にとって大打撃だ。
サッカーの盛り上げには地上波放送も必要。日本代表の強さや面白いサッカーを見せないと、代表戦の地上波放送がさらに遠のくかもしれない」
第3戦のインドネシア戦は引き分け以上で日本の2位通過が確定する一方、敗れた場合は他グループの結果次第で決勝トーナメント進出となり、場合によってはそのまま敗退の可能性もあるなか、文字どおりの負けられない一戦となる。
1/21(日) 8:10配信 FOOTBALL ZONE
https://news.yahoo.co.jp/articles/d0a3f6dfa71dfa41231815b775f46f0658a1917c