「清和政策研究会」(安倍派)では、派閥を取り仕切る事務総長経験者や会長代理、「5人衆」と呼ばれる幹部として、
・下村博文・元文部科学相
・松野博一・前官房長官、
・西村康稔・前経済産業相
・高木毅・前党国会対策委員長
・塩谷立・元文部科学相
・世耕弘成・前党参院幹事長
・萩生田光一・前党政調会長
の7人が告発されていた。だが、特捜部は、所属議員について、不記載額が4000万円を超えた3議員の刑事責任を追及する一方、不記載額がそれに満たない議員は、過去の摘発事例との公平性などを考慮して立件を見送る方針という。
この件に関しては、1月13日に毎日新聞とNHKが「立件断念」と先んじて報じていた。
1月15日、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で、元テレビ朝日社員の玉川徹氏は、「金額での線引きは納得できない」としたうえで、こう検察を批判した。
「検察はちゃんと会見をして理由を言えと。4000万円以上はやりました。それ以下はやりませんでしたって、いったい何だと。それは国民から検察に対して言っていいと思うんですよ。われわれの感覚からすれば1000万円も4000万円も高額です。それを検察が勝手に4000万円で線を引くってことであれば、もうこれは検察を信用できない。そのために検察審査会があるから、そっちだというふうな話に進んでいくと思います」
さらに、玉川氏は「世論がどう動くかというところが大きい」と述べ、検察への批判が高まっていけば、検察上層部も動く可能性があるとの見通しを語った。
兵庫県明石市の前市長、泉房穂氏も1月13日、自身の「X」にこう書きこんでいる。
《遠い昔、検察庁の看板に黄色いペンキが投げつけられたことがあった。政治資金規正法違反で、今回同様に立件が見送られた直後のことだったと記憶している。その後、政界のドンは別件での逮捕となるわけだが、最初から適正に捜査をしておけばよかったのにと思ったものだ。歴史は繰り返すのだろうか・・・》
1992年、故・金丸信元自民党副総裁は、佐川急便から5億円のヤミ献金を受け取ったとの疑惑が報じられたものの、東京地検特捜部は政治資金規正法違反で略式起訴。金丸氏は「罰金20万円」の略式命令を受けた。
だが、略式命令当日、「検察は正義をおこなっているのか!」と怒った一人の男が、検察庁の看板に黄色いペンキを投げつけたことで特捜部のメンツは丸つぶれに。
世論の反発の強さから、金丸氏も議員辞職に追い込まれた。特捜部は東京国税局からの協力を得て、翌1993年、所得税法違反容疑で金丸氏を逮捕。約10億4000万円を脱税したとして、所得税法違反で起訴した。
1月16日、「X」では《安倍派幹部7人不起訴》がトレンド入り。怒りの声が吹き荒れた。
《日本の検察は終了 もはや正義を語る資格なし》
《金額が問題じゃない。脱税したんでしょ? なら世間と同じように罰してよ。それをしないのがおかしい。検察も国税庁も日本もクソ》
《巨悪を見逃す検察に存在意義なし》
泉氏が言うように、「歴史は繰り返す」ことはあるだろうか。