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高速道路に巨大な穴!新幹線が真下に走る夜間工事の舞台裏に迫る
東名高速のリニューアル工事でも異例の“夜間通行止め”を伴う現場が公開。そこには路上に巨大な穴が。毎夜12時間内に穴をあけて道路下の部品を取替え、朝までに通行可能にするという忙しい現場でした。
東海道新幹線ビュンビュン!! 東名高速の橋
NEXCO中日本東京支社は2024年1月15日、「東名リニューアル工事」の一環で夜間通行止めにより施工を行っている「清見寺橋」(静岡市)の現場を報道陣へ公開しました。
開通から50年以上が経過し老朽化した東名高速では現在、リニューアル工事の一環として2月7日(水)までの平日、上り線の清水JCT~富士川スマートIC間およそ20kmを夜間通行止めにしています。同区間にある「清見寺橋」は、東海道新幹線をまたいでいる橋。現場の真下で新幹線が300km/h近いスピードで轟音を立てて行き交います。
東名リニューアル工事は基本的に、車線規制などをしながらも通行は可能な状態で工事を行っていますが、夜間だけとはいえ、上下線どちらかが一時的でも通れなくなるのは異例。2015年度から15か年の予定で行っている東名リニューアル工事では、初めてだそうです。
通行止め時間は平日18時~翌6時の12時間。その間に、舗装が載る道路の床板にあたる「床版(しょうばん)」の取替えを行います。舗装ごと床版を切り取って撤去し、新しい床版を設置、仮舗装して通行可能な状態にする――これを毎晩、12時間で完了し、翌朝には交通解放しているのです。
床版が撤去された道路は、いわば大きな“穴”が空いた状態でした。ここへ、巨大なクレーンで吊り上げた床版(12.1m×2.43m)を設置していきます。
「通常の工法だと、1回の通行止めが12時間では足りません。そこで、一部は仮設の鋼床版を設置するなどして規制を解除しています」(NEXCO中日本 富士保全・サービスセンター 近藤 努所長)
今回は、新たに設置する床版は「コッター式継手」と呼ばれる特殊な金物で繋いでいるほか(通常の鉄筋と比べてかなり値段が高いそう)、壁高欄(道路の側壁)も現場でコンクリートを打設せず工場制作のプレキャスト式を使うなどして、様々な箇所を“はめるだけ”にして時間を短縮しています。さらに一部の床版はガードレール付きの仮設床版で埋めるなど、毎晩、「とにかくクルマが通行できる状態」まで時間内に進めることを最優先にしているのです。
絶対に遅れられない!
もし、6時の交通解放に遅れたらどうなるか……関係機関と解除見通しを連絡して協議、遅延の広報を依頼したり、公共交通機関に連絡したりなど、影響が甚大です。そのため現場は時間管理がかなり厳格で、取材中もノンストップ。「はい資材通りますよ~!」などと、緊張感がみなぎっていました。
そもそも、ここが夜間通行止めという方法を採らざるを得なかった理由は、「地形」にあります。床版取替えを行うには、上下線どちらかを活用し対面通行にするなどして行う必要がありますが、この前後はトンネルや橋梁が連続する区間のため、上下線間をつなぐ渡り線を作るのが困難なのだそう。
「東京方面へ向かうクルマは新東名へ迂回できるので影響は小さい」と近藤所長。問題は、地元への影響をどう少なくするかです。並行する国道1号バイパスなどは、朝時間帯に渋滞が予想されたため、最も影響が少ない18時~翌6時に設定したとか。
所定の床版取替えを2月7日までの夜間通行止め期間に済ませた後は、昼夜連続の車線規制により、壁高欄の設置、床版防水、本舗装などの“仕上げ”を行います。これは3月22日まで続きます。
ちなみに、清見寺橋のなかでも、ちょうど東海道新幹線をまたいでいる橋脚間のブロックは、今回の夜間通行止め期間中の施工対象外。下り線も含め、今後に実施されます。
高速道路に巨大な穴!「朝までに通行可能にします」
※本当に凄いのは設計と時間と人をコントロールが凄い(;´・ω・)
記事に対するコメント
「本当に朝までに通行可能にするのか心配ですね。安全面も考慮して、十分な工事期間を取ってほしいです。」
「新幹線が真下に通っているなんて驚きです!工事の際には、周囲の地盤や振動にも十分に気を付けてほしいですね。」
「夜間通行止めなので、工事のスケジュール管理がとても重要ですね。できるだけ早く通行可能にして、通行者や近隣住民の負担を減らしてほしいです。」
<このニュースへのネットの反応>