不記載、虚偽記載の公訴時効(5年)にかからない池田、大野両氏の不記載額はそれぞれ4000万円超に上る見通し。安倍派では、ノルマ超過分のキックバック(還流)を派閥から受けながら収入として収支報告書に記載していない議員が数十人に上り、裏金の総額は5億円を超える可能性があるが、両氏の不記載額は最高規模となる。
安倍派には他にも数千万円規模の裏金化が疑われる議員がいるとされ、特捜部は立件対象を広げるか検討しているとみられる。
特捜部は2023年12月27~29日に東京・永田町の国会議員会館にある両氏の事務所などを捜索した。同法の不記載、虚偽記載は会計責任者を処罰対象とするが、特捜部は両氏と会計責任者の共謀を立証できると判断した模様だ。
池田氏は20~22年に派閥からの寄付計約3200万円を記載していなかったとして、自身の政治団体の収支報告書を訂正している。取材に、派閥から収支報告書に記載義務のない「政策活動費」として扱うよう説明があったと答えていた。大野氏は12月中旬の報道陣の取材に「しっかり精査する」と述べていた。
池田氏は日本青年会議所の会頭を務めた後、12年衆院選で愛知3区から出馬して初当選。現在4期目。大野氏は岐阜県議を経て13年の参院選で初当選し、現在2期目。【井口慎太郎、北村秀徳、岩本桜、山田豊】