続々と成功するAmazonの裏側に迫る!日本企業との大きな違いとは?「気合でなんとかする」ことをしない

続々と成功するAmazonの裏側に迫る!日本企業との大きな違いとは?「気合でなんとかする」ことをしない

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続々と成功するAmazonの裏側に迫る!日本企業との大きな違いとは?「気合でなんとかする」ことをしない

筆者(田中謙伍)はAmazon日本法人に新卒入社し、現在はAmazonで商品を出品するメーカー事業およびメーカー企業へのコンサルティング会社を経営している。

現在の年商は約30億円。D2C事業の成長拡大を目指す企業に対し、データ分析から広告の出稿、新商品の開発まで支援している。そんな筆者は「これまでのキャリアで今の仕事に最も役立っているのは何か」と聞かれた場合、Amazonの倉庫で働いていた時代」と即答するようにしている。

本稿では、Amazon倉庫でのアルバイト経験で学んだ「ビジネスを拡大する上で見落とされがちなポイント」を解説していきたい。

◆あえて決められたルールを破ってみた

筆者がAmazon倉庫でアルバイトしていたのは、Amazon内定者時代の大学四年生の冬ごろだ。2ヶ月間、棚の商品を補充する「棚入れ」という業務を行っていたが、様々なルールがあった。その一つが、マンガ本など同一商品を同時に棚入れしてよいのは、「一つの棚に5冊まで」というものだ。

だが、スピーディに仕事を進めたほうが効率的だと考えた筆者は、10冊まとめて本を持って棚入れしたことがあった。そのほうが生産性が高い、と考えたからだ。

◆工夫したら怒られてしまう。その理由は?

アルバイトでも創意工夫をして業務改善を行うーー。至極当たり前の行動(むしろ自分は優秀とすら思った)だったが、ある日その動きがマネージャーに発覚。すぐに「いますぐやめてください」とこっぴどく怒られてしまったのだ。

「同時にたくさん棚入れしたほうが効率的じゃないですか?」

そう口にした筆者だったが、「一つの棚に同一商品は5つまで」のルールが、選択ミスをなくし、かつスピードも確保できる上限個数であることがAmazonで決まっていたから、という説明を受けた。

「田中くん個人の目線でいったらその行動はGOODです。ただ、田中くんみたいに間違えない人ってどれくらいいるかな?」

マネージャーいわく、仕組みでルール化しているものは徹底しなくてはならない、秩序が崩壊するのでNGという説明だった。この些細な経験で重要なのは、ルールを守らないことがNG」ということに加えて「なにが問題なのか」までマネージャーが説明したことだ。

◆「善意よりも仕組みを重視する」哲学が

アルバイトを経て、筆者は新卒一期生としてAmazonに入社するわけだが、ここでAmazonが大事にしている理念をいくつか学んだ。

Amazonには、「Good Intentions don’t work, only mechanism works!」という経営哲学がある。これは、直訳すると「善意は機能しない、仕組みだけが機能する」という意味である。

「自分が少し無茶してがんばればよい」という“善意の行動”は、すべての社員ができるわけではない。そうではなく、全員が無茶なく、ミスなく適用できる仕組みを整えよ、というのだ。

元CEOのジェフ・ベゾス氏的に言えば「役立たずの善意」は葬り去るべし、なのである。

◆「根本的な問題解決」こそが必要

象徴的なエピソードを一つ紹介しよう。ジェフ・ベゾス氏が、役員全員でコールセンターを視察したときの話だ。

この時期、コールセンターには、「脚が壊れている机」に対する返品交換の問い合わせが頻繁に届いていた。ここに勤めるあるベテランの50代女性は、顧客から「先日買った机の……」と言われた瞬間に「あ、脚が壊れている件ですよね、すぐに取り替えますね」と返事し、返品交換を迅速に済ませていた。

彼女の「素早い対応」に対し、訪れた役員はみな褒めていたという。だが、ジェフ・ベゾス氏はこれに対し不満げな表情を浮かべたのである。ベゾスはこう言った。

「そもそも机が壊れている理由をあきらかにすべきだ。メーカーに対して壊れている理由を聞いて原因を解消すべきだろう。この問い合わせ自体が来ないことが、本質的な解決策だ」

すると、彼女は「私もそう思っていたんです。でもシアトルにあるAmazon本社への問い合わせ方法がわからなくて」と答えた。

「ならばシアトル本社のバイヤーとすぐに連絡が取れる体制にしよう」

ベゾスの考えはこうだ。

机以外に、他の商品でも同じような不良品の問題が起きているはず。ならば、壊れている理由が明らかになる体制を作らなければ、根本的な問題解決にはならないーー。

つまり、「勝手な工夫≒役立たずの善意」ではなく、組織全体の仕組みやルールを整備することに注力したのである。このエピソードは、先ほど話した筆者が「勝手に工夫したら怒られた」という話につながる。

◆「気合でなんとかする」はNG

もう一つの例として、「安全を徹底追求する」取り組みを紹介しよう。Amazonの倉庫内では、転んで軽く血が少し出るレベルでも「危険」と定義されるほど安全への配慮とルールが敷かれている。

たとえば、紛失・混入を起こさないために、カッターナイフを使うときは絶対に定位置が決まっている。さらに使用者は名前を書き、「誰がどんなときに使ったか」まで記入することが義務付けられている。ミスが発生しないように配慮し、発生したとしてもどこに責任と原因があるか明らかにするためだ。

ほかにも、荷物を持つときすらも厳格なルールが決められていた。腰を壊さないように15kg以上の荷物は必ず2人以上で持つことが義務付けられており、1人で持つのは絶対に禁止。仮に2人確保できない場合でも「気合でなんとかする」という”善意”はNGなのだ。

◆「KAIZEN」という明文化されたルール

では、人員が1人欠けたときにどうするのか。Amazonは意外な答えを持っている。

気合でなんとかするのが日本企業だとすれば、AmazonはメカニズムやツールIT化で解決策を考えるのだ。つまり、「only mechanism works」である。

とはいえ、安全を重視すると、どうしても仕事のスピードが遅くなる……と思いがちだ。だが、Amazonでは安全とスピードが両立できる仕組みを整えていた。

それが「KAIZEN」という明文化されたルールの存在だ。社内で改善したいポイントがあった場合、Amazonではただ改善案を会議で出すのではなく、それがどれだけの金銭的メリットをもたらすかを具体的にエクセルで試算して提示することが義務付けられている。

これはあの有名なトヨタが始めたルールだが、Amazonでも徹底されており、「みんなで汗水垂らして働こう!」ではなく、「みんなで新たなPLAN B(別の案)を出そう!」という理念が浸透していたように思う。素敵な改善案も、明確な採算性向上が期待でき、かつ誰もが行動に落とし込めるものでなければ「勝手な工夫」となってしまうのである。

トップ営業マンの行動を“仕組み化”する

さて、そうしたAmazon時代の経験がなぜいまのコンサルティング事業に活きているのか。たとえば、営業チームの例を出すとわかりやすい。

筆者が経営する会社では、ひとりで営業成績が良いトップ営業マンがいたとしても、来季目標を上方修正することは絶対にしない。

なぜなら、一人の活躍をすべてのメンバーに適用することはできないからだ。ただし、トップ営業マンの行動から、全メンバーが実行できる汎用性ある要素を取り出し、仕組み化してそれを普及させる、という「KAIZEN」だけはルールにしている。

これは「only mechanism works」の側面もあると言える。

◆改善案は分かりやすく「お金に換算」

また、筆者の会社で改善案を出す場合は、Amazonがそうであったように、この改善案でどれだけのコストが浮くかを換算してプレゼンすることを当たり前の文化になっている。

たとえば、倉庫内で物をA地点からB地点に動かす作業に1日10時間かかっていたとする。この作業の時給を算出することで、作業コストを導き出すことができる(2,000円とおく)。この場合、10時間 × 2,000円で1日20万円の作業コストがかかっていたといえる。

この作業にロボットを導入する“KAIZEN”を行えば、5時間に半減できるとしよう。すると、1日10万円、年間だと3,650万円以上の改善効果があると計算できる。であればそのロボットの導入費用が3,650万円以下であれば購入すべきだと結論づけるのである。

これはAmazonのどの部門でも当てはまる。新しいマーケティングツールを導入する場合も、単にその価格で検討するのではなく、金銭換算をして“KAIZEN”効果が望めるならば導入を決定する。

オフィスの場所選びも「試算」する

実は、意外なところだとオフィス選びもそうだ。筆者が経営する会社はAmazon本社と同じ建物に入居している。もちろん、リモートワークも導入できるが、弊社がAmazonのコンサル会社であることを商談時や採用時に端的に示す上で信頼性が向上し、成約率にかなり貢献していると独自の試算を行った。

オフィスの場所選びすら、プロモーション費用として試算するのだ。

このように、一見単なる肉体労働に見える作業でも、いかにAmazon倉庫からビジネスに活かせる要素が詰められているかがおわかりいただけたと思う。

TEXT/田中謙伍>

【田中謙伍】
EC・D2CコンサルタントAmazon研究家、株式会社GROOVE CEO。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、新卒採用第1期生としてアマゾンジャパン合同会社に入社、出品サービス事業部にて2年間のトップセールス、同社大阪支社の立ち上げを経験。マーケティングマネージャーとしてAmazonスポンサープロダクト広告の立ち上げを経験。株式会社GROOVEおよび Amazon D2Cメーカー株式会社AINEXTを創業。立ち上げ6年で2社合計年商50億円を達成。YoutubeチャンネルたなけんのEC大学」を運営。紀州漆器(山家漆器店)など地方の伝統工芸の再生や、老舗刃物メーカー(貝印)のEC進出支援にも積極的に取り組む。幼少期からの鉄道好きの延長で月10日以上は日本全国を旅している

画像はイメージです

(出典 news.nicovideo.jp)

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2キロバイト (2 語) – 2023年4月23日 (日) 16:28

(出典 musamusa634.hatenablog.com)
Amazonは“日本企業のように”「気合でなんとかする」ことをしない… 至極真っ当なその理由

コメント:Amazonはグローバル企業であり、日本企業とは異なる経営スタイルや文化を持っています。彼らは効率的で真摯な取り組みを重視し、問題が発生した際には迅速かつ合理的な対処方法を見つけることに注力しています。

コメント:Amazonは顧客満足度を重視しており、問題が発生した際には迅速かつ公正な対応を心掛けています。彼らは購入者や販売者とのコミュニケーションを大切にし、適切な解決策を見つけるために多くの時間と労力を費やしています。

コメント:Amazonはテクノロジーの力を駆使し、高度なシステムやアルゴリズムを活用しています。彼らは問題の早期発見や迅速な対応のために自動化されたプロセスを導入しており、人間のミスが最小限に抑えられるような仕組みを確立しています。そのため、問題が発生しても「気合でなんとかする」ことを重視せず、より効率的な方法を模索します。

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