この1年、リニアの問題にどう向き合っていくのかを問われた川勝知事は、2023年12月にJR東海がリニアの東京―名古屋間の工事完了期間を「2027年」から「2027年以降」に変更したことについて「これは大きな変化であると思っている」と評価。その上で「2027年という数字がここで消えたため、2037年までに東京から大阪まで全線開通というのが、残された期限になると思う。その時までに、難航している南アルプスの自然、生態系を保全することと、リニアの両立という件についても、2037年までに解決すれば良いと、私は受け止めている」と述べた。
川勝知事はさらに独自論を展開。「自由な発想で、大阪―名古屋を先にやったらどうかとか、甲府と品川を先に結べばよいのではないかとか、自由な意見が出ている。いずれにしても、前提にしているのは2037年までに完成させようということではないかと思う」と、“2037年開業”を強調した。
川勝知事は1月4日、静岡放送のインタビューで「東京―名古屋まで2027年に開業するということだったわけだが、(JR東海が開業を)伸ばされたわけです。我々が伸ばした訳ではありません」「我々としては南アルプスの保全のために、2037年まで時間ができた」とも発言している。
「川勝知事の『2037年全線開業』論は、これまでのプロセスを無視した、まったく身勝手で信じがたい発言です。
リニア中央新幹線は、国策とはいえ、民間企業であるJR東海の事業。リニア事業には巨額な費用が必要で、安定した経営状態を維持するためにまず東京―名古屋を先行開業させてから、大阪までの開業を目指す予定です。3兆円の財政投融資があるとはいえ、この財投借入も名古屋までの先行開業が前提となっているのです。
12月18日に、名古屋―大阪間の早期開業を求める会合が奈良市で開催されましたが、その席でJR東海の丹羽俊介社長は、静岡県内で工事が着手できていない影響で、2037年の開業は難しいという認識を示しています。
川勝知事があれこれと屁理屈を付け、工事を遅らせていることにより、全線開業は2037年どころか、さらに遅れることになるでしょう」(週刊誌記者)
これらの川勝発言にネット上では
《2037年なんて勝手に決めるなよ、そんな権限もないのに》
《最悪な知事だな。妄言や詭弁を連発しているけど、リニアの公共インフラとしての役割を完全に無視している》
など、呆れる声が多く見られる。1月1日に起きた能登半島の地震では北陸新幹線が運転を休止したが、地震発生から24時間も経たずに運転を再開した。
このときSNSでは
《これ今回の地震が北陸だから何とかインフラ保ててるけど南海トラフだったら東海道新幹線は1週間は運転見合わせになるし港も工場も多くて経済損失は計り知れないぞ 今回の地震を機にリニア中央新幹線の工事着工が早まってバイパスとしての役割を果たせるようになるといいな…》