寄贈されるのは、小学校低学年用グラブ約6万個。国公私立小学校と義務教育学校、特別支援学校小学部計約2万校に、それぞれグラブ3個が3月までに順次配送されるという。
大谷選手は、同社を通じて「このグローブが、私たちの次の世代に夢を与え、勇気づけるためのシンボルとなることを望んでいます]とコメントしている。
寄贈に向けては同社がスポーツ庁と連携して作業を進めているが、スポーツ庁が希望する学校数を調査した段階で外国人学校が対象から外れていた。昨年11月に各都道府県教育委員会などに通知を出した際、学校教育法第1条に「学校」として示されている、いわゆる「一条校」を対象とし、「各種学校」に位置付けられる外国人学校は想定されていなかったためだ。同社は、この調査結果を基に配送を開始した。
スポーツ庁の担当者は、意図的な排除は否定した上で「『全国の小学校に寄贈したい』という相談を受け、法に定める『学校』を対象とした」としている。
これに対し、「外国人教育への意識が乏しい」と指摘するのは、一橋大学の田中宏名誉教授。各種学校を巡っては、これまでにも幼児教育・保育の無償化や新型コロナウイルス対策事業などについて対象から外れることがあった。田中名誉教授は「国による機械的な線引きが、結果的に差別を生んでいるということを知るべき。もっと配慮が必要だ。すべての子どもに夢を与えようとしている大谷選手の思いを台無しにしてしまう」と話す。
県内の外国人学校関係者は「学校には大谷選手の活躍を知っている子どもも多い。とても良い取り組みで、楽しみにしていたけれど、寄贈の対象でないのであれば寂しい」と残念そうに話した。
こうした関係者らの声を受け、同社は現在、外国人学校などへの寄贈についても検討を始めたという。神奈川新聞社の取材に、広報担当者は「まだ対象となっていないが、進展があり次第、ご案内したい」としている。