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悔やんでます…年金18万円の70代父「人気老人ホームに入居」も、たった1ヵ月で退所した「まさかの理由」
高齢者の住まいとして人気が高まる「老人ホーム」。選ぶ基準はさまざまで、できれば見学をして入居者自身はもちろん、その家族のニーズに合うところを見つけることが肝心です。見学をしないで決めると、思いもしない事態に直面することも珍しくありません。
父親に勧めた「老人ホーム」…1ヵ月で退所する結果に「娘の大後悔」
――本当に後悔している
投稿したのは40代女性。妻(母)を亡くし、1人暮らしに不安を覚える父親に対し、女性が老人ホームを見つけて入所。しかし、たった1ヵ月で退所に至ったといいます。
――なんであんな老人ホームを勧めちゃったんだろう
そもそも老人ホームを選ぶとき、何を基準にすればいいのでしょうか。まず考えたのが入居条件。ひと口に老人ホームといっても、いろいろな種類のがあり、介護度などで入居の可否が決まります。
まず公的な施設として「ケアハウス」「特別養護老人ホーム」「介護老人保健施設」「介護医療員」。
「ケアハウス」は経済的な負担が小さい「軽費老人ホーム」のひとつで、1人暮らしに不安を覚える人や、所得の低い人が対象。要介護や認知症患者の受け入れは施設によって異なります。一般型と介護型の2つがあり、一般型では生活支援サービスが提供され、介護型ではさらに介護サービスが提供されます。
「特別養護老人ホーム」は要介護3以上が対象ですが、特例で要介護1~2で入れる場合も。認知症患者も受け入れています。「介護老人保健施設」は要介護1以上で認知症患者も可。退院後、数ヵ月程度滞在し、在宅生活ができることを目指す施設です。「介護医療院」は要介護1以上で認知症患者も可。特に医療ニーズが高い人に特化した施設です。
民間の施設としては「有料老人ホーム」「サービス付き高齢者向け住宅」「グループホーム」。
「有料老人ホーム」は「自立型」「住宅型」「介護付き」の3つに分かれ、「自立型」は要介護になると基本的に退所しなければなりません。ほかの2つは施設によっては自立の人もOK。住宅型は生活支援サービスが提供され、介護は別途契約。「介護付き」は介護サービスが初めからセットされているイメージです。
「サービス付き高齢者向け住宅」、いわゆる「サ高住」の特徴は契約形態。ほかの老人ホームは利用権方式なのに対し賃貸契約であり、通常のマンションを借りる感覚で入居ができます。生活支援サービスが含まれているほかは自由度が高く、介護サービスは別途外部との契約となります。
「グループホーム」は要支援2以上からで、認知症の人が5~9人ほどのユニットで共同生活を送る施設です。
また重要なのは費用。まず初期費用となる入居一時金。ゼロ円から高級老人ホームになると億単位のところまで。月額費用は10万~30万円程度ですが、高いところだと50万円ほどになるケースも。一時金は預貯金、月額費用は年金など毎月の一定の収入に加え、足りない分は預貯金を取崩して対応するのが一般的です。
パンフレットに書かれている月額費用だけで入居する施設を決めるのはNG。施設ごとに基本料金に含まれている内容は異なり、実際にホームで生活するにはさまざまなオプションを付加する必要が出てきます。これらを含めて、トータルでいくらくらいになるか、確認することが重要です。
老人ホーム選び…見学はいくつしている? 何を見てる?
入居条件と費用を抑え、実際にはきちんと見学することが重要。株式会社Speee/ケアスル 介護『介護施設の施設見学・体験入居に関するアンケート調査』によると、施設見学・体験入居を実施した施設数は、「1ヵ所」が最も多く21.3%。つづいて「ゼロ」が20.3%、「2ヵ所」が20.0%。「10ヵ所以上」と、もはや見学マニアと呼べそうな人も3.0%いましたが、5人に1人は見学をしないで施設への入居を決めています。認知症の症状が進行してしまっている、介護度が重く見学が負担など、さまざまな事情がありそうです。
また見学時にチェックしたところで最も多いのが「スタッフの対応・スタッフの質」で60.7%。「居住スペースの過ごしやすさ」59.7%とともに、半数以上の人がチェックしたポイント。また「医療・看護サポート体制」「介護体制」「食事」「浴室・入浴設備」「面会体制」「共有スペースの使いやすさ」が3割を超える人がチェックしています。諸先輩のチェックポイントを参考に、自身やその家族が譲れないポイントをチェックしていくことが重要です。
前出の女性の場合は、きちんと見学をしたのかといえば、そうではなく、頼りにしたのは「ランキング」だといいます。いまネット上には「XXな老人ホームランキング」といった人気ランキングがいろいろ。老人ホーム選びの基準になっています。女性は施設を探す際のポイントは
・女性宅から車で30分程度で面会に頻繁にいける施設
・介護体制、医療体制がしっかりしている施設
・父親の年金(月18万円)で月額費用の大半を賄える施設
この2つ。たまたま目にした「サポート充実の老人ホーム」のランキングで、近くにあるホームが上位だったので問い合わせところ、ちょうど「空きがある」と入居を決めたといいます。
――いいところを見つけたわ
と喜んでいたのも束の間、ほどなくして父の様子に違和感を覚えるようになったといいます。
――大丈夫⁉ きちんと食べてる?
話を聞いたところ、「食事が口に合わない……」と遠慮気味にいってきた父。老人ホームに入所したとはいえ、父は健康そのもの。「食べることが趣味」というほど、食にうるさい人だったといいます。ところが入所した施設は要介護度の重い人が多く、食事の味付けは健康体の父には薄く、また咀嚼しやすいようにと柔らかく噛み応えのないものばかり。しかし「せっかく娘が探してくれたホームだからと不満を口にすることもできず、段々と食事が喉を通らなくなってしまったといいます。
――健康な人も入れると書いてあったのに……まさか要介護の人ばかりの施設だったなんて
と、きちんとホームを見学しなかったことを大後悔。そして「このままでは、健康な父がやせ細ってしまう……」と焦った女性は、すぐに父親を退所させ、改めて父親とともに老人ホームに見学にいこうと考えているといいます。
[参考資料]
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