同県七尾市のガソリンスタンドでは3日、給油待ちの長い列ができ、従業員が慌ただしく車両を誘導していた。2日は緊急車両に限って給油をしたが、3日朝にガソリンが入荷。一般への販売を始めたところ列が途絶えず、夕方までに約350台が給油したという。同県 羽咋はくい 市の会社員の男性(37)は「なるべく歩いて用事を済ませ、運転時もエアコンを切っていた。それでも残量はぎりぎりだった」と語った。
輪島市や珠洲市で給水が始まったほか、七尾市垣吉町の田鶴浜地区コミュニティセンターでも仮設トイレが設置されるなどしたが、物資はまだ不足している。
輪島市の坂口茂市長は3日のオンライン会議で、「1万人の避難者に対し、物資は2000食しか届いていない。水、食料が足りない」と窮状を訴えた。
自衛隊は、県内で人命救助や給水支援にあたる隊員を1000人から2000人規模に倍増させている。木原防衛相は同日の記者会見で、当面の生活支援として「パン、ペットボトルの水、毛布、おむつといった物資の輸送を考えている」と述べたが、各地で土砂崩れや家屋の倒壊が起き、道路は寸断されている。輸送はヘリに頼らざるを得ないのが現状で、今後は艦艇を活用した海上輸送も本格化させるという。