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【韓国のせいとは言いたくない/AERA】歴代ワースト「紅白」視聴率31%の衝撃 業界人が番組中に見た「有吉弘行」の“異変”
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有吉といえば、ひょうひょうとした毒舌キャラで数々のバラエティー番組でもMCをこなしてきた百戦錬磨だが、紅白は少し勝手が違ったようだ。番組が進行しても「緊張しています」と繰り返し、実際に肩がこわばっているように見えるシーンもあった。
その理由を民放ワイドショーのディレクターはこう話す。
「有吉さんは地上波で約10本のレギュラー番組を持つほどの超人気芸人ですし、場を回すMC力は安定感抜群です。NHKもそれを買って抜擢したのでしょう。しかし、意外と地上波テレビの生放送でのMC経験は少ない。レギュラー番組も収録が基本で、だからこそ、有吉さんの毒舌が生きてきた部分もある。生放送への対応力はそんなに高くないのではないかと思います」
芸能リポーターの城下尊之氏はこうみる。
「収録中心でやっていると、つい余計なことをしゃべってしまうものなんです。収録だと危ない発言はカットできるけど、生放送だとそうはいかない。有吉さんは生放送で発言に細心の注意を払いながら、かつ番組全体をまわさなきゃいけないので、焦りもあったと思います」
前出のディレクターによると、紅白は「秒単位で進行が決まっており、司会へのプレッシャーはすごい」という。そのうえで、城下氏はこう続ける。
「紅白の司会者は、極度の緊張感を強いられると聞きます。なぜなら、番組が始まるとすぐに“巻き”が入るから。過去には『オープニングから巻きってどういうこと』と、後で怒った女性司会者がいたというほど。少しでも時間が押してはダメという雰囲気のなかで、秒単位での進行を求められるので、司会者や出演歌手を含めて、慌てたりするハプニングが多いんです」
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韓国グループ・SEVENTEEN(セブンティーン)の登場の時にも、浜辺が「私たちの世代にも大人気のセブンティーンのみなさんですが、ここは私がその魅力をプレゼンさせていただきたいんですけど、有吉さんいいですか」と聞くと、有吉は「おじさんにわかるように、ゆっくり教えてください」。浜辺は笑いながら「かしこまりました」と返した。
「有吉さんが“おじさん役”を務めることで、番組を見ている高齢者にも、若い歌手の魅力を伝えるという意図なのでしょう。しかし、やっていることはジェンダーバイアスがかかった旧態依然の演出で、『ボーダレス』というコンセプトとは真逆のように感じました」(前出・ディレクター)
■コンセプト自体がもう厳しい
結局、3人の司会者の奮闘もむなしく、視聴率は歴代ワーストという結果となった。この要因について、石川氏は“ジャニーズ問題”を指摘する。
「旧ジャニーズのタレントが出ないことがわかった段階で、ジャニーズファンの間では『今年は紅白を見ないように』という“通達”のようなものが出まわっていたようです。それが数字に出てしまったのでしょう」
一方、城下氏はこう話した。
「旧ジャニーズ勢がいようがいまいが、紅白に関しては、もう視聴率が下がっていくのは必然なんです。『紅白歌合戦』というコンセプト自体がもう厳しい。地方ではまだ家族が大みそかにそろっているので、何となく『紅白』をつけっぱなしにしているだけ。それも含めてあの数字なんです」
過去には、視聴率81.4%をたたき出したこともある「紅白歌合戦」。再び“国民的行事”として復活する未来はあるのか。
(AERA dot.編集部・上田耕司)
https://news.yahoo.co.jp/articles/ad142162e43eaacfeeb989cc71cc004152cbd1ed?page=1