ティムは、コロナのパンデミック中にリモートワークになったとき、服装はリラックス志向でいくことにした。それがきっかけで、衣類の洗濯にかける時間とエネルギーが負担だと思うようになった。
「2人目の子が生まれて、全体的にやることが多すぎる時期だったんです」と彼は言う。
「自分の生活から省略できるものは何でも減らしていこうと思って、それができるのが洗濯だったのです」
すでに多くの人に比べて、彼の洗濯回数は少なかった。週に1回か、ときには2週間に1回程度だったが、ティムは丸1年「洗濯機で自分の衣類を洗わない」ことを目指した。
ティムの職業はシステムエンジニア。最近の彼が洗濯をするのは、半年に一度くらいだ。
もうオフィスに出勤しなくてもいいとわかったので、清潔な服を着る必要もないんです。問題ないですよ。ビデオ通話では他人から見られるのは上半身だけだし。いずれにせよ、仕事中の半分はカメラをオフにしていますから」
ビデオ通話越しに取材に応える彼は、イマドキのだらしなさはあっても、清潔そうに見える。
「もし何か重要な社交行事があれば、ちゃんとした服装で出かけますけど、日常生活はこれで構わないんです」
いまも子供たちの衣類は洗濯機で洗っている(し、彼の妻も自分のぶんはそうしている)が、その回数は減らしている。
「いまでも洗濯物はどっさりあるんです。それも自分の衣類を洗わない理由の一つですね」
服はかなりたくさん持っているので助かっているが、一年洗濯をしなかった期間は、「1枚の服を2週間くらい着た」という。靴下は、サンダルをはくことで省略した。冬の大半もサンダルで過ごす。
もう靴下を洗わなくていいんですよ。それがずっと最大の問題でしたからね」
少なくともパンツだけは毎日きれいなものをはいているのだろうか?
「パンツは1週間いけます」と彼は答える。
「どうやったら……」と私はドギマギしながら訊いた──「1週間同じパンツをはいていられるんですか?」。