あわせて読みたい
【イスラエル】航空機からドローンを撃墜できる画期的なレーザー兵器の試験に成功
【動画】イスラエルの新しい航空機搭載レーザー迎撃システム
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2021/06/post-96567_2.php
イスラエル国防省の軍事研究開発部門の責任者ヤニフ・ロテム准将は、民生用のセスナ機に搭載した試作品のレーザー兵器でこの数日間に、地中海上のさまざまな地点でドローンを撃墜したと述べた。
「空からの脅威を迎撃・破壊する能力は画期的なものだ」と、ロテムは記者団に語った。「イスラエルは、こうした能力を真っ先に実用化した国々の1つとなった」
イスラエルの軍事用エレクトロニクスメーカーのエルビット・システムズとイスラエル航空宇宙軍(IAF)が共同開発したこの技術は、ロテムから「技術革新」と称賛され、これにより「さらなる開発のための重要なステップ」が達成されたと、エルサレム・ポストは伝えた。
<「ディフェンス・アップデート」の動画によれば、イスラエルのレーザー兵器は気象条件が変化するなかでも的を絞りレーザーを安定化させることに成功した。レーザー兵器は弾薬がいらず、弾を込める時間もいらず、コストが従来兵器に比べるとケタ違いに安い一発当たり3.5ドルで済む。航空機に搭載すれば移動も速いという>
今回の試験では、セスナ機から800メートルほど離れて飛行するドローンを撃墜した。将来的には、射程距離を伸ばしてロケット弾や迫撃砲弾、遠くのドローンも迎撃できるシステムにする計画だ。
<熱線で瞬時に発火>
このレーザー兵器は、短距離ロケットを標的とする「アイアンドーム」や、弾道ミサイルや敵の航空機、中長距離ロケットを担う広域防空兵器「ダビデのスリング」などと並び、イスラエルの重層的な防空システムの一部になれるだろう。
エルビット・システムズは、航空機に搭載する防空システム「Cミュージック」も製造している。飛来するミサイルの「目をくらませる」レーザー兵器だ。エルビットの幹部、オレン・サバグによると、新たなレーザー兵器はCミュージックに似ているものの、こちらは標的に熱線を送って瞬時に発火させ、破壊する仕組みになっているという。
イスラエル国防省のロテムによれば、同省は今後10年前後で、約20キロの有効射程距離を持つ航空機搭載レーザー兵器の実現を目指している。将来的には、数百キロ先にある標的の破壊を可能にしたいとの構想もある。
ロテムによると、航空機に搭載されるレーザー兵器は、気象条件に左右されない高高度で脅威を迎撃できるうえに、防空範囲も広いという利点がある。
イスラエルは5月、パレスチナ自治区の飛び地であるガザ地区に対して11日間にわたる爆撃を行った。5月21日に停戦が成立したものの、6月16日にはイスラエルがガザ地区に対して空爆を実施するなど、緊張状態は続いている。
(翻訳:ガリレオ)
ジョン・フェン
6/23(水) 19:41配信 ニューズウィーク日本版
https://news.yahoo.co.jp/articles/486d12512002b497139da3f726697045054fd277
<防空システム「アイアンドーム」を補完し、戦いを劇的に変革する迎撃システムの実験に成功>
イスラエルが開発した航空機搭載のレーザー兵器システム Defense Update/YouTube