外食産業での食品ロス削減には持ち帰りの促進が有効とされるが、「食中毒が発生した場合の民事上の責任の所在が不明確」との指摘が出ている。新たな指針では、持ち帰りによる食中毒の発生について「消費者の自己責任が前提」としつつ、飲食店側の留意事項などをまとめる方向だ。
このほか、食品会社やスーパーなどの食品事業者からの食品ロス削減については、「余った食品の生活困窮者などへの寄付の促進」を明記した。
具体的には、寄付した食品で食中毒やアレルギーが発生した場合に備え、事業者向けの保険創設を官民で検討するほか、将来的には法改正などを通じ、寄付した事業者の民事責任を免責する仕組みの導入も検討する。寄付を受けて健康被害を訴えた人の救済策も講じるとした。
同庁によると、15~19年度の食品ロスは、年平均で614万トンに及んでおり、政府は30年度までに489万トンに削減する目標を掲げている。