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大谷、山本の移籍を見て子どもたちには野球にあこがれてほしいな、と思います【デーブ大久保 さあ、話しましょう!】
先週、勝手にMVP企画をやりました。「ありがとねー」というメールが阪神の平田勝男ヘッドコーチから届きました。読んでいただいたことに感謝ですし、こちらのほうこそ感謝です。そんなメールをいただいた良き日に、さらに良いことがありました。
松井裕樹とパドレスとの間で契約合意したという報道があったことです。5年2800万ドルという素晴らしい契約だったようです。個人的にもすごくうれしいですね。正式契約はこれからだと思いますので、そのときにあらためて、お祝いの言葉をと考えています。
このオフにはドジャースへ移籍した大谷翔平が10年7億ドルというとんでもない契約を結びました。そのあとにはオリックスからのポスティングシステムで山本由伸がドジャースに、12年3億2500万ドルというメジャー投手の中でも類を見ない内容での契約が決まりそうです。そして松井裕樹です。
先週も少し話題にしましたが、西武時代の根本さん(根本陸夫球団管理部長)が「プロでお金を稼ぐのは、引退してから、普通に生活ができるようにするためでもあるぞ」と言われたことがあります。当時も、一般の方よりも多少は多くの年俸をいただいていましたが、根本さんが言われるほどの心の余裕は引退後はあまりないな、とは感じています。
一方で、メジャーでプレーした経験のある解説者の皆さんを見ていると、心に余裕が見られるんです。プロで頑張った人たちにはそういう余裕があったほうが、次の世代の人たちの指針にもなり、プロにあこがれる子どもたちの希望にもなります。
大谷や山本なども、引退後もそういう余裕ができる金額です。それは一方で、野球のみに本当に集中できるということにもつながっていきます。将来に不安なく、今の自分のパフォーマンスを上げるためだけに、お金を費やせるし、集中できる。そういう世界を見せることも、将来の野球界を支える子どもたちへ、大きな希望になると思うんです。
メジャーに行けば、そうなるけどNPBだと……となるかもしれません。今では6億円を稼ぐ選手も出てきましたので、そういう方向性に向くかもしれませんね。解説者の中に、MLBの現状を見てNPBの将来を危惧する人もいます。でも私はまったく逆の考えなんです。大谷や山本にあこがれて野球を始めてくれる、それ自体が素晴らしいのです。
ではNPBはじっとして見ているのか……そこは思考を巡らせて、新たにNPB自体にお金が入るような取り組みをしてMLBに少しでも近づく努力をしてほしいです。規約の問題等があるかもしれませんが、NPB自体が12球団と協力して、NPB公認のグッズをたくさん企画し、世界に売り出していく、という大胆な発想を持ってほしいですね。指をくわえて見ているのではなく、戦略を立てる時代に入っていると思います。NPBも十分に魅力のあるリーグですから必ずできるはずです。
12/31(日) 11:00 週刊ベースボール
https://news.yahoo.co.jp/articles/47dfcf1430d767bf88c4b5adbbad5b0450441f65