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【箱根駅伝】東京農業大、箱根路で10年ぶり「大根踊り」へ準備着々…「農大産だいこん」も初登場
https://www.yomiuri.co.jp/hakone-ekiden/news/20231228-OYT1T50151/
箱根に「大根踊り」が久々に帰ってくる――。来月2、3日の第100回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=読売新聞社共催)に向け、10年ぶりに出場する東農大の応援団が名物になっているダイコンを両手に盛り上げる応援などの練習に励んでいる。節目の大会には2023年から団員らが大学で栽培を始めたダイコンも使う予定だ。
店で購入、応援後は味わう
応援団によると、「大根踊り」は正式には「青山ほとり」で、東農大の前身が青山学院(東京都渋谷区)近くにあった1923年につくられた応援歌の名前で呼ばれる。戦前の相撲大会で既にダイコンを持って応援していたという説があり、戦後には現在の所作が定着した。
伝統の応援は入学式などの節目や地域の行事ごとに披露し、応援団の第92代団長を務める農学部4年の加藤俊弥さん(22)は「昨年は80回以上の応援活動がありました」。1度の活動でダイコン20~30本を使うといい、その都度、小売店で購入して学生食堂の冷蔵庫で保管してもらう。応援後は団員や応援した運動部員らが持ち帰ったり、学生食堂に提供したりして食べるという。
農大なら買わずに自前で
年間1000本以上のダイコンを用意するのは難しいが、加藤さんは「ダイコンを買うのは農大としてどうなのか……」という思いがあった。そこで大学側と相談しながら厚木キャンパス(神奈川県)で栽培を始め、今年から節目の行事で「農大産」のダイコンを使うようになった。
応援団が歴史的な経緯を踏まえて特に重視する行事が相撲応援、収穫祭、箱根駅伝の三つ。このうち10年遠ざかっていた箱根の舞台は応援団にとっても「憧れの場所というか、幻の場所ですね。10年間『来年こそは』と言ってきたということで『うわさが現実になる』というような感じです」と加藤さん。11月の全日本大学駅伝(三重県)は収穫祭と重複して駆けつけられなかっただけに箱根に向けた準備に余念がない。
葉っぱ重視、「OB産」とともに
箱根では往復路ごとのスタートとゴール地点で応援を披露する予定で80本のダイコンとともにバスで移動する。このうち50本は、「いつ母校が出場してもいいように」と毎年この時期にダイコンを用意していたという東京都国分寺市の応援団OBが栽培したダイコンが持ち込まれるという。「農大産」と「OB産」のダイコンは葉が多くあるものを選ぶ予定で加藤さんは「葉が揺れた方が勢いよく見えるんです」。新世代の工夫やOBの思いやりが込められたダイコンとともに威勢のいい応援が節目の大会を盛り上げそうだ。(大舘司)