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【日本モー】 韓国の「ヤバすぎる受験戦争」は、日本の「近未来図」だ…! 超「学歴主義」を「おかしい」と思っても…
日本と同じく少子化が止まらなくなってきた韓国。
そんな韓国で子どもを育てることは親にとって周囲からのプレッシャーも多く、子どもの成長を喜ぶより、常にストレスや不安との戦いと化している。
それは、私の周囲を見ていてもひしひしと感じる。
たとえば、韓国では試験による中学や高校受験がない分、大学受験こそが幼児期からの教育の集大成だ。
だから、親は小学校入学前の幼児教育や、小学校入学後も高学年以降は塾選びや情報集めに奔走する。
「子どもの成績は親の教育の成果物」などという言葉もあり、子どもの成績が悪ければ当然、その責任は親にあるかのように見られる。
さらに、子どもの学校のママ友同士で集まれば常に子どもの成績や塾や受験の話題となるのだから、親が必死になるのも無理はない。
このあたりは中学受験が過熱する日本でも同じようなことが起きているといえるかもしれないし、
韓国で起きていることは日本の「近未来図」と化しているともいえる。
・「学歴」は意味を持つ…のか?
その一方で、最近では地方を中心に大学の定員割れや廃校も増えたり、大学を卒業しても就職難という現状もある。
そうしたことから「これからはもはや学歴は意味を持たない」、「韓国の教育では学力が高くなっても人間性、社会性が備わらない」、
「どこでもいいからと目標も持たずに大学に行くのではなく、技術や資格を得ることが大事だ」といった声も聞かれる。
実は、高校中退者も毎年2万人前後で増加傾向にあるという。
中退の理由は成績優秀で難関大学への合格も期待されている学生が、受験のためだけの勉強漬けの生活に嫌気がさし辞めるケースや、
ただ大学を目指すことに疑問を持ったり、学校が合わない、勉強へのモチベーションが保てないなど様々であり、
中退者の中には検定考試という高校卒業資格試験を受験し、大学を目指す者もいるという。
・「進路」「学歴」「学び方」…
大学も学生を集めるために社会人に学びの門戸を開いたり、通信制のサイバー大学や学部の数を増やすなど、少しずつではあるが、
進路や学歴、学び方に対する多様化が見られるようになっている。
しかし、それでもまだ「良い大学を出て、大企業にすることが人生の成功」、「高級外車に乗ってブランド品を持つことが幸せ」という考えが
いまだに根強くあり、 周囲の雑念や価値観にとらわれずに子どもを育てていくということは相当な強い気持ちがなければできないだろう。
実際に頭では「おかしい」と思いながらも、自らのやり方に変えることができないのは、結局「周囲と同じことをしておけば大丈夫」
という心の安心を求めているということなのかもしれない。
「自分が経験してきた勉強漬けの辛い学生生活を子どもにはさせたくないから子どもを育てたいと思えない」という若者の声もあり、
過剰な学歴主義など価値観の歪みが少子化という形となって現れている気がしてならない。
田中 美蘭(ライター)
現代ビジネス 12/26(火) 7:33配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/226fe085795337126fc6c7eaeb8f1cad31c61d3d