それは筆者がちょうど20歳になったタイミング、成人した後も貧乏暮らしは相変わらずで、5千円札にも使われていた聖徳太子ほど諭吉と触れ合う機会はありませんでしたけど……。
新札に対応する紙幣識別装置の交換が必要
ところでパチンコ業界的では、新札が発行されたらまた休廃業するホールが増えるというのが通説になっているようです。そのワケは玉やメダルの貸し出しに使われているサンドの中にあります。サンドには紙幣識別装置、通称ビルバリ(ビルバリデーターの略)が搭載されているのですが、新札が登場するとこのビルバリの交換が必要になるのです。
交換に必要な金額はメーカーによって異なりますが、関係者から聞いた話を平均すると1台あたり2万円くらい。これに台数分をかけると、500台程度の中規模点でも軽く1千万円を超える経費が必要になります。
ホールにとってこれくらいの金額は大したことがない、なんて思われる人もいるでしょう。実際、ここ数か月の新台入替ラッシュを見ていると、50万円もするような新台を何十台(=数千万円)も導入していますし、それが数週間で閑古鳥が鳴くような稼働になっても平気で営業を続けています。
パチンコ業界は大損を喰らっても大丈夫……なのか?
中古で売却するにも数週間で価値は10分の1以下。それだけ大損を喰らっても大丈夫なんだから、新札対応くらいは平気に見えます。
でもその損失はじわじわとホールの体力を削ぎ、倒産が大きく報じられたガイアの場合でも新台の積極的導入がその要因になったと報じられています。
また、安価で入手できる中古機で入れ替えして新台経費を数十万円程度で収めているような弱小ホールにとっては、直接お金を生まないビルバリ交換のために数百万円なんていうお金はそうそう簡単に用意できるものではありません。