この決定を受け、河野太郎デジタル相が会見。医療機関にマイナ保険証の利用を積極的に患者に勧めるように求め、驚くべき“普及策”を披露した。
「病院や薬局などで『紙の保険証を持ってきてほしい』と言われ、マイナ保険証を利用できなかったとの問い合わせがある」と、まるで医療機関がマイナ保険証の利用を妨げているような言い方をした上で、「マイナ保険証は一部の例外を除いてすべての医療機関と薬局で受け付けることが義務化されている。利用できなかった場合は、マイナンバー総合フリーダイヤルにご連絡をいただきたい。厚労省に情報提供し、厚労省が医療機関に事情を確認することになる」と、国への“密告”を呼びかけたのだ。
全国保険医団体連合会(保団連)事務局次長の本並省吾氏が言う。
「マイナ保険証を使ってトラブルが起きた際、医療機関は現行の保険証を提示してもらい、何とか、解決しています。もし、現行の保険証という“助け舟”がなければ、と考えると背筋がゾッとします。河野大臣の発言は、医療機関が保険証の提示を求めることを、不当な行為のように位置づけ、国への通報を呼びかけていると受け取れ、看過できません」
保団連の最新調査では、1907の医療機関のうち、約6割が「10月以降もトラブルがあった」と回答している。今でもトラブルは多発しているのだ。
「加藤厚労相(当時)は今年6月の会見で、時限的・限定的な対応としつつ、初めてマイナ保険証を使う時などは、“念のため”に両方の保険証を持参するよう呼びかけています。政府自ら、マイナ保険証に自信がなく、現行保険証を頼りにしているのです」(本並省吾氏)
こんなやり方をすれば国民はますますドン引きだ