走行中に目撃した会社員の佐々木翔平さん(28)が110番し、散歩していた藤井桂也さん(80)が抱きかかえて救助した。
11月30日午前11時過ぎ、京都市西京区の国道を走行中の佐々木さんは、歩道橋の欄干を乗り越えてたたずむ少女を目撃。「見間違いかな」と思いながらも、自身の目で確かめようとUターンし、近くに停車。少女を確認し、すぐに110番した。
その頃、散歩中の藤井さんが少女を発見。歩道橋の下では、絶え間なく車が行き交っており、とっさに少女を抱きかかえた。その間、少女は言葉を発することなく、ただ涙を流していたという。
藤井さんが「この手を離すわけにはいかない」と祈るような思いで救助を待っていると、佐々木さんの通報で駆けつけた警察が到着し、事なきを得た。
京都府警西京署(上村一則署長)は22日、通りすがりの“連携”で命を救ったとして、いずれも西京区に住む2人に感謝状を贈った。
少女は現在も無事に過ごしているという。
藤井さんは「心配していたので安心した。『助けなあかん』との一心でとっさに体が動いた」と振り返り、佐々木さんは「これからは前を向いて生きていってほしい」とエールを送った。