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【在日三世】 私が、久しぶりに「韓国」から「日本」に帰って直面した違和感の正体
この12月から治療を兼ねて、日本に滞在することになった。
今年は私自身、書籍『それでも韓国にすみますか』を出したし、大先輩で友人の在日脱北者の李氏も書籍『囚われの楽園』を出した。
そのおかげもあってか、日本に滞在するやいなや、先輩、後輩たちから連絡をもらっている。
また、こういうこともいま起きているぞという事実を教えてもらったり、参考資料を送られたりもしている。
日本で先輩、後輩たちと話す時、よく私も通っていた朝鮮学校の運営について話をする。
先に言っておくが、私たち多くの先輩、後輩たちは、組織から独立した学校運営には賛成している。
同時に、私が受けたような金家族信仰教育から抜け出し、真の朝鮮民族や在日の立場、
日本で暮らす上での日本の法や風習を在日なりに理解していく教育にも賛成している。
こういった話題になるのも、最近、朝鮮学校の建て替えについての記事を見たり、
校舎の補修予算が補助金カットで苦しいなどと報じられているからだ。
私たちの頃、少なくとも90年代までは父兄の寄付もあって学校は運営されていた。
90年代まで全国にたくさんあった学校も、少子化問題もあってかいまは減っている。
私も卒業生として学校運営が難しいと知れば、多少なりとも寄付はしたいが、いまどういった教育がなされるのかについても気になるのだ。
・日本で育ち、韓国で見た「私」の風景
何度も話すが、私は在日の民族教育、風習は、日本の地域コミュニティ、家庭内で教わってきた。
いま韓国内で失われつつある民族的風習でさえ、日本の在日の中にはまだ強く残っていたりもした。
日本で育ち、韓国を見た私が言えるのは、学校よりもコミュニティの中で大切なことを学んだということだ。
同時に、私は韓国に帰り、韓国で知り合い、交流している在日脱北者をはじめ、朝鮮人脱北者たちの話を聞いた。
彼らから韓国で受ける「差別」の実態についてもたくさん聞かされた。
帰国事業で帰った在日が北朝鮮でどんな扱いを受けたかも、彼らから聞かされた。
そうした中で気になるのは、日本でも韓国でも子どもを餌にして政治的主張を訴えようとする人たちの存在である。
子どもたちには何のことだがわからないうちに、大人に利用されているということがある。
私も小さい頃、いろいろなところに動員されたが、もちろんその意味についてはまったく理解していなかった。
・日本で直面した「違和感」
いまではそうしたことも減ってきたが、いまだに残っていることは事実だろう。
子供を扇動するようなことがあれば、それももってのほかだ。韓国でも子どもを盾に権利を叫ぶ団体は多いが、
大人たちはそれが子どもに与える影響についてどう考えているのだろうか。
日本に久しぶりに帰って「違和感」に直面したのは、そんなことを思わざるをえなかったからだろう。
大人が子どもに教えるべきは、ほんとうに今何が起きているかの真実だろう。
日本でも韓国でも少子化が進んでいることもあってか、いまそんなことを考えることが増えている。
豊 璋(在韓国コンサルタント)
現代ビジネス 12/24(日) 7:33配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb0c2d6350553dc56f409a4286aed41e947d18dd