2021年の時点で、世界の大麻に対する見方はずいぶん甘いものになっていたが、この2年半でその勢いはさらに加速している。
他方、日本では規制の厳しさがほとんど変わっておらず、後述するように伝統ある大学の体育会が廃部の危機の最中にいる。
今回は大麻の現況を僕自身のタイでの経験や実際の事例も合わせて紹介したい。
前回のコラムを執筆した2021年の時点で既にカナダは大麻合法化に踏み切っており、渡航した日本人もたしなんでいることを指摘した。
その後の世界の動きで最も大きなニュースは2022年6月のタイでの事実上の合法化だろう。
合法化された直後からまさに雨後の筍のごとく大麻ショップが乱立した。
僕は今年7月に渡タイする機会があり、たいへん驚いた。タイに住む友人知人から「大変なことになっている」とは聞いていたのだが、まさかこんな光景が待っていたとは……。
バンコクの大麻ショップは恐らくコンビニより多いのではあるまいか。
繁華街はもちろん、オフィス街にすら24時間営業の大麻ショップが乱立しているのだ。
しかも、一見若い恋人たちが集いそうなスタイリッシュなショップが大麻カフェとなっていて、
おいしそうなイチゴ味のシェイクの看板をよく見みると「大麻入り」と書いてあり……、という感じだ。
ここまで一般化すると大麻使用をとがめる者もいないのだろう。
実際、大麻に手を出す日本人の駐在員も増え、中には大麻のために退職してタイに永住することを決めた日本人もいるとか。
大麻目的でタイに長期滞在する日本人の夫婦もいるそうだ。