0~2歳の園児に対し、「バカ頭」と言い放つ不適切保育や、大声を上げて泣かせる心理的虐待を行っていたとして、埼玉県熊谷市が市立吉見保育所を調査していることが13日、わかった。
市は中心的な人物だった可能性があるとみて、田谷美保子所長(51)と、主任保育士の女性(49)を保育業務から外した。
市保育課などによると、2人は11月下旬から12月上旬にかけて、園児に向かって「ダメ。バカ頭。あのお母さんだもん。あのお父さんだし」と言ったり、ぐずった園児に対して「これやるよ?泣かすか」と脅すような言葉を投げかけたりした。
「○○ちゃんはいじられる人生だからね」といった発言もあった。
11月29日に市への通報があり、保育室内の状況を録音したデータから、田谷所長らの発言が不適切保育にあたると判断した。今後、音声データの確認や、保育士全員のヒアリングを行って詳しく調べ、他の保育士の関与も調査する。
市は今月9日、保育所で保護者に対し、不適切保育や心理的虐待が行われていたことを説明した。同席した田谷所長は「本当に申し訳ない。反省している」などと謝罪した。
市は年内に保護者向けの説明会を再度開き、当時の詳しい状況や、今後の対応などを説明する。
保護者の一人は読売新聞の取材に対し「あり得ない。何をやったのか明らかにしてほしい」と不信感をあらわにしていた。
吉見保育所は2015年に開設。0~6歳児約60人を預かっている。