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雅子さまが直面される“W介護”の現実…上皇ご夫妻の侍医交代、ご両親の転居も
なめらかな白い布地の上に、柔らかい筆致で「枝に実った柚子」が描かれた手ぬぐい。日に日に寒さが厳しくなる季節、心が温かくなるようなデザインだ。
60歳のお誕生日を迎えられた2023年12月9日、雅子さまは、ご自身が名誉総裁を務められている日本赤十字社を通じ、高齢者たちに手ぬぐいを600本贈られた。この柚子があしらわれた手ぬぐいは、同社が運営する特別養護老人ホームなど6つの施設に配られ、手にした入所者たちは一様にほほ笑み、感謝や喜びの声を上げていたという。
皇室ジャーナリストの久能靖さんはこう話す。
「日本赤十字社の名誉総裁は、代々皇后さまがお務めになられてきました。香淳皇后のころより、お誕生日に高齢者施設に手ぬぐいを贈られることが伝統となっています。デザインは皇后さまが直々にお選びになられるそうです」
日本の超高齢化が叫ばれて久しい。厚生労働省によれば、“団塊の世代”がすべて75歳となる2025年には、75歳以上の人口が全人口の約18パーセントに。2040年には、65歳以上の人口が全人口の約35パーセントとなると推計されているほどだ。
超高齢社会の皇后である雅子さまも、当事者として向き合われているのが、ご両親たちのケアだ。2023年12月23日には、上皇さまが90歳となられるが、長年国民の象徴としてのお務めに全身全霊で臨まれてきた上皇ご夫妻のご健康には、ご心配が尽きないという。
■上皇ご夫妻担当の侍医が交代した意味
「上皇さまのお体には大きな懸念はないものの、高齢者の多くが直面する認知機能の低下は年々進行していると聞きます。美智子さまも、最近また少しお痩せになったご様子とお見受けします。それに3年ほど前から、午後になると少し熱が上がる症状が変わらずに続いています」(宮内庁関係者)
年の瀬も迫った2023年12月1日、上皇侍医が交代する人事が発令された。人事には、上皇ご夫妻の現在のご体調不安が考慮されているとの声もある。
「今回の人事では、感染症の専門医から腎臓・内分泌内科の医師に交代しました。いずれの医師も、皇室の医療を実質的に担当している東京大学医学部附属病院に所属する女性医師です。
侍医は、東大病院から外科と内科の系統に分けつつ、複数人の医師が派遣されています。さらに、それぞれの医師の専門が、担当する皇室の方々の“健康で気になる部分”をカバーできるように人事が行われるといわれています。
コロナ禍の期間、上皇侍医に感染症の専門医が配置されていたことは、上皇ご夫妻が新型コロナウイルスに感染されるリスクを減らすことを目的とした人事であったとみています。今回の人事には、上皇ご夫妻のご健康を維持するため、腎臓や内分泌系の疾患などに対応できるよう、考慮のうえに決定した側面があるのでしょう」(皇室担当記者)
宮内庁職員の人事は、すべて天皇陛下と雅子さまがご覧になったうえで、最終的に決定される。前出・宮内庁関係者は、
「両陛下は、“上皇ご夫妻が不安をお感じになることがないように”とのお気持ちや心配が強いようですし、侍医の交代人事もこうしたご意向に沿うために、宮内庁内で検討されていました。皇居と赤坂御用地とでお住まいは離れておりますが、ご一緒になる折には、両陛下が上皇ご夫妻に対してできうる限りのお気遣いをなさっています」
そのお気遣いぶりが光ったのが、11月に皇居・桃華楽堂で開かれた皇宮警察音楽隊の創設70周年を記念するコンサートでのこと。両陛下と上皇ご夫妻が久々に公の場でご一緒に臨まれた行事だった。
「入場時に、両陛下の後ろを歩かれていた上皇ご夫妻のお足元を、雅子さまは注意深く目を配りお声がけしながら、着席されるまでエスコートされていたのです。終演後も、美智子さまが立ち上がられようとするのを、雅子さまがお手を伸ばして手伝おうとされていたとも聞きました。
外交官としてご両親が多忙でしたから、雅子さまは幼いころから祖母の江頭寿々子さんと過ごされることが多く、“おばあちゃんっ子”だったそうです。
国民とのご交流でも、とっさにお年寄りの手を取られて優しく話しかけるといったお気遣いをされていますが、雅子さまにとっては当たり前のことなのでしょう。日常的に、高齢者に寄り添うことを意識されていることの証左ともいえます」(前出・宮内庁関係者)
こうしたお気遣いは、皇室と国民との距離をより縮めるうえでも大きな意義を持つという。
「上皇ご夫妻のなさりようを受け継がれながら、雅子さまはさらに深く“国民と寄り添う”ことを目指されているように感じています」(前出・久能さん)
そして、雅子さまが介護についての意識を深められているのは、上皇ご夫妻ばかりではなく、実のご両親である小和田恆さん、優美子さんの生活に生じた変化も大きいという。雅子さまのお誕生日に前後し、一部で“小和田さん夫妻が転居”などと報じられていた。
■帰国した“超エリート妹夫妻”が支えに
小和田家の知人はこう明かす。
「恆さんと優美子さんは、雅子さまの双子の妹の一人・池田礼子さんが住んでいる港区にあるマンションに空き部屋ができたということで、11月に引っ越されました。恆さんは91歳、優美子さんも85歳とご高齢です。今はお2人ともお元気ですが、しばらく前に優美子さんが足を悪くされた時期があって、恆さんが近所のスーパーまでお買い物に行くという状況になったこともありました」
雅子さまは2組のご両親の介護問題に直面されているといえる。この“W介護”の支えとなっているのが、妹の礼子さんの存在だ。
礼子さんは、国連難民高等弁務官事務所やユニセフなどで国際公務員として長年活躍。さらに夫の池田祐久さんも、企業法務と外国法を専門とする著名な国際弁護士という“超エリート夫妻”だ。しかし池田さん夫妻は、最近までニューヨークで生活しているとみられてきた。
「祐久さんは、米国に本部を置く国際的な弁護士事務所『シャーマンアンドスターリング』の幹部で、法曹界では屈指の評価を集める弁護士の一人。同事務所の東京オフィスの代表も兼務しています。
仕事の関係で、池田さん一家はニューヨークに移り住んでいましたが、このところは家族で日本に戻っていると聞いています。
天皇ご一家は東京湾の花火大会やハロウィンなどの折に、池田さん一家が住む都内の超高級マンションを訪問されていました。池田さん夫妻には愛子さまと同世代のお子さんも2人いて、那須ご静養時にも招かれたりと、昔から家族ぐるみの交流を続けてきたのです。
礼子さんが近くで小和田さん夫妻の生活を見守っているので、雅子さまもご安心でしょう。また、池田さん一家と小和田さん夫妻が住むマンションはセキュリティが厳重です。皇居からも近いですし、雅子さまも久しぶりに“里帰り”して、ご両親の生活ぶりをご覧になることもできるのです」(前出・皇室担当記者)
雅子さまが目黒区にあるご実家に愛子さまと一緒に里帰りされたのは、2003年9月が最後。
新年にこそ、21年ぶりの里帰りが実現し、ご家族の温かい団らんのひと時が戻る――。
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