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「井上尚弥と戦うために、あえてフェザー級を選んだ」…亀田家の最終兵器「亀田和毅」の“夢の対決”への思い
なぜタイトルマッチが出来なかったのか
亀田和毅選手は、1991年大阪生まれ。亀田三兄弟の長男・興毅氏、次男の大毅氏に続く三男として早くから注目を集める。2008年、メキシコでプロデビュー。あの兄二人から“三兄弟で一番才能があるのは和毅”と絶賛されるほどの才覚を発揮し、2013年にはWBO世界バンタム級王座、そして2018年には、WBC世界スーパーバンタム級暫定王座を獲得している(現在は陥落)。
――スーパーバンタム級と言えば、あの井上尚弥選手も現在所属している階級です。井上尚弥対亀田和毅のマッチを期待していたファンも多かったのでは。
亀田和毅選手(以下、亀田) もちろん戦いたいですよ。井上尚弥選手との対戦は熱望しています。その中で自分の階級での最強は井上チャンピオン。だからこそ、スーパーバンダム級に井上チャンピオンが転級するという話を聞き、自分もこの階級に留まろうと思い、そして戦える可能性を探しました。僕にとって(現WBA、IBF王者の)タパレスと戦い勝つ事が目的ではない。タパレスの次の井上チャンピオンが目的でした。
僕と井上チャンピオンとの対決を望む声もいただいている一方で、誹謗中傷の声もたくさん聞こえてきます。「井上の名前を出すな」「亀田が井上には絶対に勝てない」等々。そうした声を紹介しだしたらキリがないほどです。でも、それでも、僕の今の最大のモチベーションは井上尚弥選手に勝つ事。だからこそ、僕は汗水流し毎日キツい練習もしている。練習量が勝つ為の絶対の自身に繋がっている。
――では今回なぜ、フェザー級に階級をあげたのか。
亀田 僕は2021年の12月に、WBA世界スーパーバンタム級5位という立場から、王座次期挑戦者決定戦で勝って、王者であるムロジョン・アフマダリエフに挑戦する権利を保持したんです。それから2年間、世界戦を待っていた。ところが、いつまで待っても(世界戦の)声がかからないわけです。
――そして今年4月にムロジョンは、フィリピンのマーロン・タパレスに同王座を奪われることになった。世界主要4団体のうち、ムロジョンが持っていた2つのベルトがタパレスの手に渡った。
亀田 そこで、金平会長(金平桂一郎元協栄ボクシング会長。現在は、和毅氏が設立、所属しているTMK GYMの会長を務める)始めTMKスタッフは、交渉相手をタパレスに切り替えました。そして、WBAから5月に、タパレスとの対戦指令も下りたのですが……。翌日になって、その指令が撤回されてしまったんです。協栄ジム時代から何十試合、何百試合の世界戦を組んできた中、こんなことは今まで一度もなかったということでした。さらに、帝拳ジムの会長である本田明彦氏から金平会長に3年ぶりに電話があり、本田会長の元にもWBAから『タパレスVS亀田和毅』の試合がなくなった事を伝えられたと、金平会長が記者会見で明かしていました。これは前代未聞の事態で、一体なぜなのか理由はわかりません。