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これをやる中高年は40代以降の異性にモテモテ…医師・和田秀樹「大人の女性を惹きつける職業の種類」
※本稿は、和田秀樹『60代からの見た目の壁』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものです。
■70代男性のキャバクラ通いが見た目の若返りにつながる理由
見た目を老け込ませないためには、意欲を失わないことが大事です。意欲を失わないための要素として、恋愛が重要であることも本書で述べてきました。
そのためには、日本という社会が高齢者の恋愛や性に対し、もっと寛容でなければならないと思っています。
ところが現実はそうなっていません。例えば、70代の男性がキャバクラに通っていようものなら、「エロ爺」と呼ばれてしまいます。
でも、その男性にしてみれば、ホステスさんに少しでもモテたいと思っているから、おしゃれをして出かけるのでしょうし、若い女性と会話を楽しむために話術をみがいているかもしれません。
そうした努力は、見た目の若返りにつながるのです。
キャバクラに通うことで、男性ホルモンの分泌も増えますし、認知機能低下の予防にもなります。
とくに女性にモテる話題を考えるときは、前頭葉を使うことになるので、意欲の低下も防げます。
こういう話をすると、若い人にウケるために、若者に人気のあるゲームについて勉強するとか、若者に人気の音楽を無理して聴いたりする人がいます。
なぜそんなことをするのかというと、ホステスさんから「このおじさんは、こんなことまで知っているんだ?」と思われたいからでしょう。
■「知的なおじさん」と「そうでないおじさん」の決定的な違い
でもホステスさんは、おじさんの付け焼き刃の知識を聞いて、「話がつまんない」と思っていることでしょう。
そんなに詳しいわけでもないのに、無理して若い人にウケそうな話をしようとするのは、今の若い人の言葉で言えば「イタい」だけです。
彼女たちは、おじさんのお客さんに対し、そんな話題を期待していないと思います。
かといって、「大人の教養…」とか「知らないと恥をかく…」といった文言を冠した教養本を読んで知識をひけらかすのも嫌われます。
本人は「君たちの知らないことをおじさんは知っているんだよ」と言いたいのでしょうけど、これも付け焼き刃の知識ですから、すぐに見抜かれてしまいます。
そもそも、「知らないと恥をかく」ことを知っていてもしょうがないと思います。
今の時代、スマホで検索すれば、その手の本に書いている程度の知識はすぐに得られます。調べれば誰でもわかることなのです。
それよりは、本に書かれていないこと、普通の人は経験しないようなことのほうが、若い人には興味を持ってもらえます。そこが知的な人とそうでない人の分かれ道です。
■若い人たちの耳に残る話の種類
見た目が若く見える要素の1つに、私は「知性」があると思っています。
知性は顔ににじみ出ると言いますが、知性のある顔つきは、若く見えるというよりも、見た目を引き立てる大事な要素といったほうがいいかもしれません。
ではどういう会話をする人が知的に見えるのかというと、「人生経験が長いからこそ知っていること」を話せるかどうかということになるでしょう。
こう言うと勘違いする人もいて、「俺は若い頃、部長だったんだよ」とか、過去の自慢話ばかりする人がいます。
最悪なのは、その自慢話を毎回飽きずに繰り返す人です。
別にその人が昔部長だったことは、誰も興味がありません。むしろ嫌がられるだけでしょう。
ただ、年をとればとるほど、「この人の話はおもしろい」と「この人の話はおもしろくない」の差は大きくなってきます。
でもこれを読んで、前述の知識本に走るのでは本末転倒。
それよりも、「100軒のラーメン屋を回って見つけたおいしい店のベスト3はこれ」といった知識のほうがよっぽど若い人に興味を持ってもらえるでしょう。
自分が実際に食べた店なら、どのようにおいしいのかをリアルに語れるでしょう。そういう話のほうが若い人たちの耳に残るはずです。
■銀座のクラブでモテる男の共通点
知的な会話ができる人がモテるのは、キャバクラよりも、クラブのほうかもしれません。
若者がダンスをしに行くクラブではなくて、「銀座のクラブ」とか「高級クラブ」といった意味のクラブのことです。
キャバクラのホステスさんは、若さだけが売り物のことが多いですが、クラブのママやホステスさんは、いろんな職業の男性と会話ができるように、日々勉強しています。
最近はどうなのか知りませんが、昭和のクラブのママは、お店を開ける前に新聞を2~3紙読んで、お客さんの話についていけるように努力していたと言います。
銀座のクラブともなると、ハイソサエティのお客さんがたくさん来ますが、それを接待するママやホステスさんたちも洗練されていて、知的な会話がなされます。
セクシーな要素もないわけではありませんが、いわゆる性的なサービスは一切ありません。
「クラブ文化」といってもよいと思いますし、日本文化の1つと言ってよいくらい独特なカルチャーなのです。
銀座のクラブでモテるお客さんというと、作家が思い浮かびますが、彼らは決して、作家という肩書きでモテているわけではないでしょう。
彼らがどんな会話をクラブでしているのかはわかりませんが、きっとそこには、ホステスさんたちをステキだと思わせる会話があるはずです。作家だからモテるのではなくて、会話が知的でおもしろいからモテるのだと思います。
■どうせ行くなら知的ママのいる店へ
逆に、お金だけあっても、知性のカケラもないような人がクラブに行っても、ホステスさんにバカにされるだけでしょう。そういう人は、キャバクラに行ったほうがモテると思います。
知性を磨きたいなら、キャバクラよりはクラブに行って、百戦錬磨のママやホステスさんたちにおもしろいと思われるような会話ができるようにならなければなりません。
といっても、全方位的に何でも知っている必要はありません。
他の人には真似ができない、自分の得意な分野があれば、みんなが知っているようなことを知らなくても、そこは愛嬌(あいきょう)と思ってもらえます。
大橋巨泉がMCをしていた『クイズダービー』(TBS、76~92年)のレギュラー回答者だったフランス文学者の篠沢秀夫教授(学習院大学名誉教授)は、自分の専門分野しか勉強していないのか、回答率が低かったことで話題になりました。
そのため、巨泉が設定するオッズ(倍率)はいつも高配当でした。
でも篠沢教授が知らないことは恥ずかしいことではありません。
専門分野に関しては当然詳しいので、尊敬はされても、バカにされることはありません。というか、そこを楽しむ番組だったのです。
場末のスナックでも、知的なママがやっているお店があるものです。
そういう店では、下ネタを連発するようなお客さんよりは、知的な会話がサラリとできる人のほうがモテるでしょう。
お店としては、お金をいっぱい使ってくれるお客さんは大事だから、お金を持っていればそこそこモテるかもしれません。
でも心から「いい人だな」と思われたり、ある種の尊敬を持って相手をしてもらうには、知性が大事だと思います。
■日本には下品系ホストクラブが多すぎる
今まで男性の話をしてきましたが、女性はどうでしょう。女性が行くお店としては、例えばホストクラブがあります。
ホストクラブの歴史というのは意外に古くて、私が子どもの頃にはすでにありました。でもその頃から、ホストクラブというのは、少しも進化してないような気がします。
ホストクラブの客層はお金のある女性たちで、お金持ちのマダムもいれば、もっと高齢の資産家の女性もいたりします。
若い女性のお客さんもいますが、彼女たちはお金がないので、キャバクラのような水商売で働いて、そのお金をホストクラブにつぎ込んだりしているのでしょう。
ホストクラブの基本的なシステムは、お金を使えば使うほど、ホストたちにモテるようになっています。
お金を使ってもらうためには、高いお酒を注文してもらわないといけません。
それで、ドンペリニヨンなどの高級シャンパンを何本も注文させて、シャンパンタワー(シャンパングラスをピラミッド状に積み重ね、上からシャンパンを注ぐセレモニー)なる遊びをしてバカ騒ぎしたりしているわけです。
そういったバカ騒ぎのためにお金を使ってくれるお客さんほどモテるシステムになっているから、ホストとの会話には知性のカケラもありません。
私に言わせれば、日本には下品系ホストクラブが多すぎるのです。
男性には知的な会話が楽しめるクラブがあるのに、女性にはおそらくほとんどないと思います。
その理由はわかりませんが、もしも私がホストクラブを経営するのであれば、「一流大学」を出た知的な会話ができる男性を集めて女性向けの知的会話系ホストクラブをつくったらよいのにと思っています。
どのくらい流行るかはわかりませんが、知的会話系ホストはけっこう流行るのではないかと思っています。
■カルチャースクール講師はモテモテ
なぜ流行るのかというと、今の40代、50代、60代くらいの女性たちが、スポーツクラブの男性インストラクターを好きになるという話をよく聞くからです。ボディメイク技術をやさしくていねいに教えてくれる男性がモテるのでしょう。
一方、文化系でも、知識を教えてくれる男性はモテるのです。
意外に知られていませんが、カルチャースクールの男性講師とかは、受講生の女性たちにけっこうモテているようです。私自身もそういうシーンを目撃したことがあります。
たぶん講義が終わった後の打ち上げの場なのでしょう。ちょっとおしゃれなカフェで、インテリ感がただよう60~70代の男性講師を、50~70代の女性たちが10人くらいで囲んで、お茶を飲みながら楽しそうにおしゃべりをしているのです。
その様子がまるで、高級クラブのママとお客さんの男女を入れ替えたように思えたのです。
女性たちはインテリ先生の話をワクワクしながら聞いていますし、先生も鼻の下を長くなんか決してしません。
そんな女性たちは見た目も若いのです。女性たちにとっては、知的会話を楽しむ場であると同時に、異性にトキメキを感じられる場でもあるからでしょう。
私もちょっといいなと思いました。
■「この人、ステキだわ」と思える男性との出会いは大事
あたりまえのことですが、女性も異性のいる集まりに参加すると、若く見えると思います。
でも女性だけの集まりだと、若くは見えないのはどうしてでしょう。
男性は女性よりも平均寿命が短いので、パートナーと死別して独身になるケースは、女性のほうが圧倒的に多いと思います。
それで独身になった女性が、女性の友だち何人かと集まって、よくおしゃべりしているのを目にすると、「ご主人が亡くなったけど、あの人は大丈夫ですね」とか「人生を楽しんでいますね」とか言う人がいますが、それはまわりの人間の勝手な思い込みではないでしょうか。
もしかしたら、その女性も新しい恋をしたいのかもしれません。いや、その気持ちがまったくない女性はいないのではないでしょうか。
別に再婚が目的でなくても、「この人、ステキだわ」と思える男性との出会いは大事だと思います。
異性との会話に胸をときめかせることができるというのは、性ホルモンも活性化しますし、見た目を若くするためのもっとも重要な要素なのです。
その出会いを保障するためには、知的会話系ホストクラブのようなものがあればよいのか、あるいは一対一でおつきあいできるマッチングアプリを活用してもらったほうがよいのか、それは私にはわかりません。
ホストとお客の関係では満足できないという人もいるでしょうし、一対一のおつきあいでなければ嫌だという人もいるでしょう。そこは、ご自分の気持ちに近いやり方を選べばよいと思います。
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精神科医
1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
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