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女性患者が感謝の言葉&手書きのレシピノートを子どもたちに… 「看取り」の今を見つめた作品が大賞
フジテレビ系列各局の番組制作能力向上とその蓄積を図る趣旨から1992年に創設された『FNSドキュメンタリー大賞』で、第32回を迎えた今回、系列28局が制作し今年放送されたノミネート作品の中から、審査の結果、長野放送制作の『最期を生きて-「看取り」支える訪問診療-』が大賞に決定した。長野放送が大賞を受賞するのは、2006年(第15回)の受賞以来、17年ぶりで3回目となる。
【画像】「15人が起こした小さな奇跡」高齢者を介護するインド人介護士
『最期を生きて-「看取り」支える訪問診療-』は、新型コロナの影響で病院では大切な人との別れの時間を過ごすことが難しくなり、在宅医療の役割が高まってきている昨今の「看取り」の今を見つめた作品。住み慣れた家で、その人らしく、その家族らしく、その日を迎えようとする患者と家族、それを支える医師の姿を追っているが、社会的な問題を、説得力ある取材、構成、ナレーションなど丁寧に描き、現場の空気感を伝えるものに仕上がっているところが高く評価され、大賞受賞となった。
フジテレビでは来年1月3日午前4時55分から『決定!第32回FNSドキュメンタリー大賞』にて、大賞作品『最期を生きて-「看取り」支える訪問診療-』を放送する(関東ローカル)。
■第32回FNSドキュメンタリー大賞 受賞作品紹介
【大賞】
長野放送制作『最期を生きて―「看取り」支える訪問診療―』
受賞理由:
社会的な課題に切りこんでいるが、在宅医療に取り組む医師ではなく、当事者や家族が主役となっているところもよい。取材対象者の家で看とるという家族の強い思いと、最期の瞬間まで撮影を許可してくれた覚悟が、丁寧に描かれていた。切り込みにくいテーマである中で、取材対象者と適度な距離感や関係性を構築し、説得力のある作品に仕上げられていた。また、明るいナレーションなどもよく現場に流れる患者や家族の空気感を感じられる余韻の残った作品である。
プロデューサー・嶌田哲也(長野放送 報道部長)コメント:
「大切な人との別れが病院では難しくなったコロナ禍。訪問診療の役割を伝えようと始まった取材は、やがて“看取りの今”を見つめるものになりました。人生で最も尊重されるべき“最期”の姿。それを取材できたのは、“看取り”と真摯(しんし)に向き合う医師の協力、患者ご本人とご家族の理解があったからです。改めて感謝申し上げます。“死ぬことは最期を生きること”。今後もその意味を問いながら、訪問診療・在宅医療の在り方を見つめていきたいと思います。
大賞の受賞は望外の喜びです。特に通常ニュースの特集から出発したドキュメンタリー作品が評価されたことをうれしく思います。取材した記者の貴重な経験を報道部内で共有し、日々のニュース取材に生かしていきたいと思います」
番組概要:
「死ぬのではなく、最期の日までその人らしく生きる」 そう語るのは、訪問診療を専門とする松本市の瀬角英樹医師。コロナ禍で増えた自宅での「看取り」を支えている。妻や子、孫と笑顔の思い出を作った男性患者、兄弟を気遣いつつ自宅に戻った一人暮らしの男性患者、感謝の言葉と手書きのレシピノートを子どもたちに残した女性患者…。死ぬことは、最期を生きること。「看取り」の今をみつめた。
【優秀賞】
◆フジテレビ 制作 『最期を選ぶ~安楽死のない国で私たちは~』
【特別賞】
◆福井テレビ 制作 『私たちインドから来ました ~15人が起こした小さな奇跡~』
◆テレビ新広島 制作 『清流のヌシの叫び~繋ぐ命と扱う命~』
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