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【韓国】日本とドイツの歴史認識の違い
▲ イ・サンベ外交/安保政策研究委員
当時、メルケル首相は、「日本が歴史問題をめぐる中国や韓国との対立をいかに乗り越えるべきか」という質問に対し、「日本も侵略戦争を行った過去史を直視する必要がある」と話した。その後の両国首脳の共同記者会見でも、「過去の整理が和解の前提」と繰り返し指摘した。
ドイツと日本は共に第二次世界大戦を起こした戦犯国だが、敗戦76周年となる今日に至るまで、両国の指導者は歴史認識に明確な対照をなしていて、残念でならない。
両国の戦後の反省の態度を見れば、明確に異なる姿を見ることができる。まずはドイツの場合、戦後は被害国に対して真の謝罪と90兆ウォンに至る補償金を支払った。初代のアデナウアー首相はフランスにアルザス・ロレーヌ地方を、ポーランドには旧プロイセン地域を譲歩して領土の対立を解決した。
それだけではなく、1963年にフランスのド・ゴール大統領とアデナウアー首相は、フランスのエリゼ宮殿で独仏友好条約(仏独協力条約=エリゼ条約)を締結した。その後、フランスとドイツは歴史のパートナーとしてヨーロッパ連合(EU)を率いる双頭馬車(二頭立ての馬車)になった。
1970年12月には、当時のヴィリー・ブラント西ドイツ首相がポーランドのワルシャワにあるユダヤ人犠牲者追悼碑の前でひざまずいて謝罪することで、ドイツの指導者が侵略の歴史について心から懺悔していることを行動で示した。
1985年5月、リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー大統領は西ドイツ議会で、「ナチスドイツの恥ずかしい過去史に責任を負うべきだ」と演説して、1987年1月、ヘルムート・コール首相は、「ドイツはナチスの蛮行を忘れたり、隠したり、軽視してはならない」と強調した。
メルケルも2013年にナチスのダッハウ強制収容所を訪ねたことを筆頭に、何度もドイツが過去の犯罪に対して永遠の責任があることを躊躇しなかった。
このようにドイツは日本とは異なり、恥ずかしい過去史を認めただけでなく謝罪と補償を続け、ヨーロッパで最も信頼される国家になったのである。
一方、日本の姿はどうなのか?自分が犯した侵略戦争を否認したり、第二次世界大戦のA級戦犯が埋葬されている靖国神社を参拝したり、与野党政治家の妄言が相次いでいる。数年前にはドイツの独裁者ヒトラーを称賛するなど、到底理解し難い蛮行を犯しているのだ。
周辺国との協力よりも帝国主義的妄想に陥り、領土侵奪意志の強化など、自国の国益追求に対する最優先的立場を固守していることを赤裸々に現わしている。
最近では東京五輪の開催に伴い、独島(トクド)に対する日本の領有権主張をはじめ、過去史について無責任な態度が日増しに深刻化しており、甚だしく憂慮になる。
それだけではなく、侵略戦争を謝罪した村山談話や日本軍慰安婦の強制動員を認めた河野談話も修正する意思を明らかにする日本の指導者たちの動きで、ドイツと日本、両国の歴史認識と良心の違いがなぜこのように明確な対照を成せるのか、理解し難いという疑問を抱かざるを得ない。
このような局面が続く場合、日本は韓国を始めとする周辺国の批判を自ら招くだけであることを肝に銘じ、過去史を認めない民族に未来がないという点をはっきりと直視すべきである。
同時に日本のノーベル文学賞受賞作家であるオエ・ケンヂャブロ(大江健三郎)が明らかにした、「女性に対する暴力を正当化した日本の後進性を認めるべき、軍慰安婦問題は天皇制までその根っこがつながる日本社会の男性中心主義が招いた女性差別の結果だ」という苦言を改めて留めて聞いてほしい。
イ・サンベ外交/安保政策研究委員
グッドモーニング経済(韓国語)
http://www.kpinews.co.kr/news/articleView.html?idxno=149754