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おばさん構文全開のせい?!16歳下の彼と44歳女性が“疎遠になった”ワケ
中高年の男性が若者に擦り寄ろうとした結果、返って年代を感じさせる独特の気持ち悪い仕上がりになってしまったメッセージのことを“おじさん構文”などと呼びますが、最近は“おばさん構文”が話題になっているようです。
本記事では、自分がおばさん構文を使いまくっていると気がついてしまった女性のエピソードをご紹介しましょう。
◆離婚後に行きつけの飲み屋で出会った28歳の彼
三浦真由香さん(仮名・44歳・会社員)は、20代の頃に離婚を経験して以来、独身生活を貫いています。
「元夫がモラハラ気質で精神的にも肉体的にもまいってしまい、離婚する時もごねられて本当に面倒くさかったんですよね。それに懲りてしまい結婚はもういいやと思うようになりました」
ですが真由香さんは美人で、雰囲気や話し方も柔らかいため、定期的に男性からお声がかかるそう。
「多分、一人で飲みに行くことが多いので声をかけやすいんだと思います。なので恋愛は結構してきましたね。今はフリーですが」
そんな真由香さんに最近声をかけてきたのが、祐樹くん(仮名・28歳・IT関連)でした。
「祐樹くんも行きつけの飲み屋で知り合いました。最初から『本当にビックリするぐらい僕のタイプなんです』と私の目を見て言ってきて、最近の若い子は凄いなと思いましたね」
最初は年の差のせいで若干引き気味だった真由香さんでしたが、話題豊富でポジティブな祐樹さんの明るいパワーに引きつけられ、だんだんと気になる存在になっていったそう。
「気がつくと祐樹くんからのLINEを楽しみにしている自分がいました。最初は『今夜◯◯(2人の行きつけの飲み屋)に行くのですが、真由香さんはどうですか?』みたいなただの連絡が多かったのですが、次第に雑談やとりとめのないやり取りをするようになり、おはよう、おやすみなどの挨拶を毎日もらえると、なんか可愛く思えてきちゃって」
◆「綺麗なお姉さんだと思っていたのに…」
そんなある日、いつもの飲み屋で真由香さんが一人で飲んでいると、隣りに座っている美容師と思われる男性2人の会話が耳に入ってきました。
「ちょうど祐樹くんと同じ歳ぐらいのおしゃれな男子が『偶然お客さんのインスタ見つけちゃったんだけどさ、綺麗なお姉さんだと思っていたのに、おばさん構文全開でがっかりしちゃったよ』って苦笑いしていて“なにそれ、どういうこと?”と思わずその場で検索してしまいました」
すると、ハートやキラキラなどの絵文字を多用・同じ絵文字をいくつも重ねて使う・句読点が多い・三点リーダーを多用・文章が長い・文頭で「あらら」を使う・お母さん目線になり体調を心配してくる・天気の話が多い・「〜」を使いがち、などのおばさん構文の例がいくつもあげられていたそう。
「読めば読む程クラクラしてしまいました。私、このほとんどをやっていたんですよね。祐樹くんに『こんなおばさん構文の例文みたいなLINE送ってきてギャグなのかな?』とか思われて、残念なおばさんだと哀れみの目で見られているのかもと一気に落ち込んでしまったんです」
それ以来、楽しみにしていた祐樹くんからのLINEが怖くなってしまった真由香さん。
「祐樹くんから『昨晩寒くて風邪気味です』と送られてくると、以前の私だったら『あらら…大丈夫?(汗の絵文字3つ)今の時期は夜寒いから羽織るものを持って出かけた方がいいよ(ハートの絵文字)』と平気で返していましたが、これらは全部おばさん構文で若い人達にウザがられているのを知ってしまったので、何を書いたらいいのか分からなくなってしまったんですよね」
それが原因で祐樹くんのLINEへの返信が異様に遅くなってしまい、文章もぎこちなくなったせいか次第に連絡が途絶えてしまいました。
「なんとなく気まずくなって、その飲み屋からも足が遠のいてしまいました。
若い子におばさん構文を送りつけて迷惑をかけたり、私が若い文章を書こうと空回りして疲れるのはもう嫌なので、祐樹くんと会えなくなるのは寂しいけどこれで良かったんだと思いました」
◆祐樹さんの隣には、仲良さそうに話している女性が
ですがその3ヶ月後に、真由香さんは酔った勢いでその飲み屋に立ち寄ってみたそう。
「もう時間が経ったし気持ちの整理もついているので、もし偶然祐樹くんに会ってしまっても大丈夫だと思っていたのですが、いざ本人を目にすると胸がズキンと痛みましたね」
しかも祐樹さんの隣には、仲良さそうに話している女性がいました。
「その女性が私より明らかに歳上で、えっ?と思いました。祐樹くんから『彼女ができたんです』とその女性を紹介されて、表面上は明るく祝福しましたが、内心は泣きたい気持ちでした」
◆勇気を出して正直に「おばさん構文」の件を伝えてみると
その女性がトイレに立ったすきに「LINEのやり取り、急に変な感じになってしまってごめんなさい。実は自分がおばさん構文なことが気になってしまって」と祐樹くんに正直に伝えると…。
「祐樹くんは笑顔で『そんなこと1ミリも気にすることないのに! 俺、真由香さんの文章、優しさが詰まっていてとても好きだったよ』と言ってくれて。ホッとしましたが、素敵な人を逃してしまったなと悔しくなってしまいましたね」
そして、無理に若い人の感覚についていこうとせずに、素直におばさんであることを認めて、等身大で祐樹さんに接すれば良かったんだと気がつくことができたそう。
「もうおばさんなんだから、おばさん構文でも仕方がないと笑い飛ばすことにしました。
そして祐樹くんが“優しさが詰まっている”と言ってくれたのが嬉しかったし、私も文章が柔らかくなるようにと工夫していたら、いつの間にかこうなってしまったので、おばさん構文もさほど悪いものではないと思いますよ」と微笑む真由香さんなのでした。
<文&イラスト 鈴木詩子>
【鈴木詩子】漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
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