現役ドラフトで阪神から巨人に移籍した馬場皐輔　災害ボランティア活動で養った芯の強さ

８日に行われた現役ドラフトで、阪神で６年間プレーしてきた馬場皐輔投手（２８）が巨人に移籍することになった。２０１７年のドラフト１位も、ここ数年は激しいチーム内競争のなかシーズン通じてのフル回転はできなかっただけに「自分にとって他球団に行くことはすごくチャンス。１年間、１軍でフルに投げられる準備をしたい。選手の人数も多いので競争もあり、勝負できる楽しみはある。ポジティブに考えていければ」と気分一新して来季に向かう。

【写真】「一回、ヘトヘトになるまで投げてみたい」と来季のフル回転を誓った馬場皐輔

周りの環境に左右されずに前向きに生きる気骨は少年時代に養われた。

中学校の卒業式に出た１１年３月１１日、東日本大震災に被災。宮城・塩釜市の自宅は津波の被害を免れたが、直後より周辺地域は電気、ガス、水道のライフラインが完全にストップ。学校の体育館で数日間避難生活を送り、その後は数カ月間、同じ宮城県の内陸部に住む親戚宅に身を寄せた。いつもどおりの暮らしが当たり前にできなくなったのはショックだったが、同時に前へ一歩踏み出す気力も湧いた。

災害ボランティアに自ら参加。浸水した家屋内から泥をかき出したり、家具を運び出したりする廃棄物撤去の作業や食料配給などを精力的に行い、地域社会を支えた。