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【韓国から金貰ってPR】タピオカからハットグへ…新大久保の人気商品が静かに変化→数年前に食べかけを大量に捨てられて問題になった物
コロナ禍の影響もあり、タピオカブームは過ぎ去ったように思えたが、新大久保は緊急事態宣言下でも相変わらず大賑わい。もともと韓流好きな女子が集う日本屈指のコリアンタウンではあるが、タピオカに代わり若者の心を引き付けるものがあるのだろうか。そこで、休日の新大久保界隈を歩いてみた。
飲食店や韓流グッズの店がひしめき合うコリアンタウンのメインストリート・大久保通り。雨後のたけのこのように乱立していたタピオカドリンクの店は、業態を変えるか、スイーツやスナックを一緒に販売するなどの方向転換がなされて、だいぶ淘汰されたようだ。そんな中で特に人だかりができている店があった。のぞいてみると「ハットグ」を買い求めている。
■韓国版アメリカンドッグ「ハットグ」の人気のワケは?
ハットグとはソーセージなどの具を衣に包んで揚げた、いわゆる「韓国版アメリカンドッグ」だが、ここでの人気の秘密はとろとろのチーズが入っていること。食べるとチーズがびよ~んとのびて、見た目にもインパクト満点なのである。
しかし、このチーズハットグが話題になり始めたのはタピオカより前。甘辛い鶏肉と野菜にのびるチーズを絡めて食べる「チーズタッカルビ」の大流行を受けて、手軽に食べられる韓国グルメとして販売されたようだ。
よくよく見るとハットグ以外にも、丸形の揚げた衣の中にチーズが入った「チーズボール」や、トッポギにチーズを絡めた「チーズトッポギ」などチーズ系スナックがあちこちで売られている。
甘辛い味付けの鶏の唐揚げ「タッカンジョン」にもチーズがかかっていて、もはや「とりあえず何でもチーズかけとけ」状態だ。店員に尋ねると、「チーズはのびてSNS映えするから人気」なのだそうだ。確かにみんなスマホ片手に楽しそうに撮影している。
しかし、チーズ人気は「映える」からだけではないようだ。農林水産省の調べでは日本のチーズ消費量は年々増加していて、2019年には過去最高を記録した。さらに「ホットペッパーグルメ外食総研」が同年に行ったアンケート調査によると、「料理の味がワンランク上がる」「健康にいいから」「のびる様子が食欲をそそる」といった主な人気の理由が挙げられていた。
確かにチーズがかかっているとちょっとリッチな気分になるし、店頭でチーズをびよ~んとのばして食べる若者たちはみんな笑顔だ。タピオカほどの勢いはないにしても、隠れたチーズブームが新大久保の韓国グルメ人気を支えているのだろう。
ただ、40代の筆者からするとチーズタッカルビやチーズタッカンジョンの甘辛い味付けとチーズはおいしいのだが、どちらも味が濃くてやや胃もたれするし、塩分過多が気になる。ぜひ、チーズの「健康にいい」面を生かした中高年向けのチーズグルメも考案いただきたいものだ。
(取材・文=中川明紀)
日刊ゲンダイDIGITAL
https://news.yahoo.co.jp/articles/b2321877c95a866185a1868ce4e42f86b232d74a
たしかにチーズをのばしてみるとちょっと楽しい(提供写真)