あわせて読みたい
関東大学ラグビー対抗戦 創部100年の明大・神鳥監督「こんな経験はなかなかない」“前へ”で目指す日本一
https://www.nikkansports.com/sports/news/202312030001681.html
[2023年12月3日21時56分]
<関東大学ラグビー対抗戦:明治大58-38早稲田大>◇3日◇最終節◇東京・国立競技場◇観衆3万1915人
明大が100周年を迎えた「早明戦」を制し、6勝1敗の2位となった。
早大を58-38で退け、定期戦通算成績は42勝55敗2分け。前半の4トライ中3本をFW第1列が挙げ、創部100周年の伝統校に受け継がれる「前へ」の精神を体現した。
後半27分以降に5トライを返した早大は、5勝2敗の3位。明大は5大会ぶり、早大は4大会ぶりの日本一を目指し、全国大学選手権に臨む。
◇ ◇ ◇
開始4分。明大の選択に3万人超の観衆が沸いた。中央でのペナルティーでPGによる3点を狙わず、ラインアウトを選択。ゲーム主将のロック山本は「まずはFWで前に出る。明治全体の自信につながる」。紫紺のジャージーを着たFWがモールを押し、防御が薄くなった狭いサイドにフッカー松下が飛び込んだ。23分にもモールからトライ。39分にはプロップ為房がラック際を突いて加点した。
早慶とともにラグビー界をけん引してきた明大も、創部100年を迎えた。7月には記念式典も開催され、部員は歴史の重みをかみしめる。「前へ」「重戦車」…。伝統を象徴する言葉通りの戦いぶりで、計9トライを重ねた。OBの神鳥裕之監督(49)は「過度なプレッシャーに感じてほしくないと思う反面、人生においても、こんな経験はなかなかない。ポジティブに、またとない時間を感じてほしい」と教え子を思う。
この日のテーマは「オールアウト」。前半から出し尽くし、足が止まった終盤は38点差から一時8点差まで迫られた。それでもそこから2トライ1ゴール。山本は「流れを断ち切れたのは成長につながる。もう1度修正して(大学)選手権で優勝できるように臨みたい」と力を込めた。特別な期待を背負う男たちは、前進をやめない。【松本航】
○…早大はボール争奪戦で後手に回った。自陣に押し込まれた前半の得点はCTB野中の1PGのみ。大田尾監督が「一番恐れていたシナリオになった」と振り返った接点が起こるエリアのスペースの取り合いで劣勢を強いられた。それでも後半27分からはBK陣や3年生フッカー佐藤らの防御ライン突破が目立ち始め、立て続けに5トライ。見せ場を作った。主将のFB伊藤は「1年間やってきたことを、ぶらさずに信じたい」と全国大学選手権を見据えた。