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記念撮影にも呼ばれず……G7で相手にされなかった韓国・文在寅大統領の悲しき自己陶酔ブログ
ところが、その期待は見事に裏切られた。文氏はG7サミットのメンバーズ・オンリーの正式会議にも、エリザベス英女王との面会にも参加は許されなかったのである。出られたのはG7首脳とゲスト4か国首脳が自由と人権について意見交換するセッションだけ。サミット恒例の首脳が一堂に会す記念撮影にも招かれなかった。
当然、世界中から集まったメディアも文氏の言動についてはほとんど報道しなかった。唯一、ニュースネタにしようと待ち構えていた菅義偉・首相との日韓首脳会談も、ジョー・バイデン米大統領を仲介役にした日米韓首脳会談も実現せず。日韓以外の報道では、まるで文氏はそこにいなかったような完全無視に終わった。
サミットに花を添えたのは、エリザベス女王とバイデン大統領夫人のジルさんだった。女王は各国首脳7人との写真撮影で、横に立つジョンソン氏に「楽しそうにすべきかしら」とユーモアたっぷりに尋ねて雰囲気を和らげ、ジルさんは背中に「LOVE」と書かれた濃紺のジャケットを着て、「アメリカから愛を届けに来ました」とG7の連帯と団結を呼びかけた。教育学博士の面目如実といったところだ。それに比べて文在寅夫人の金正淑(キム・ジョンスク)さんは全く見せ場がなかった(もっとも、菅真理子夫人も出番はなかったが)。
とまあ、イギリスまで恥をかきに行ったような文氏だったが、のこのこ出かけていったのには伏線があった。ジョンソン氏は反中網を広げるために準経済大国であるオーストラリア、インド、南アに加え、韓国を誘い込む必要があると考え、それにバイデン氏が賛同した。アメリカは、5月の米韓首脳会談で韓国に「台湾海峡」条項を飲ませ、中国離れの「証文」を書かせた。そのうえでクアッド入りを促す戦略を描いていた。
ところが、サミットへの韓国招待に日本が反対し、独仏伊も追随しかけた。4か国は、サミットの拡大よりも「G7のタガを締める」ことを優先すべきと主張していた。むろん日本にとっては、G7で唯一のアジア代表という地位へのこだわりがあったし、日韓の確執も背景にあっただろう。最終的に米英のプランが通ったわけだが、反対した各国への配慮から、韓国は“呼ばれはしたけど蚊帳の外”という屈辱的な扱いを受けることになった。
G7閉幕後、文氏はブログでこう述べた(一部抜粋)。
「我々は国の品格と国力に見合った約束をした。先進国と開発途上国の懸け橋を担うことを強調できた。1907年にハーグで開かれた万国平和会議では、日本の朝鮮侵略・略奪を訴えようとした密使・李儁(イ・ジュン)は会議場にすら入れなかった。その韓国が今や、民主主義、防疫、環境問題で堂々と意見を述べ、行動する国家になったのだ」
なんとか成果を強調したい気持ちがにじみ出ているが、残念ながら文氏が署名したのはG7共同コミュニケではない。付属文書の「オープン・ソサエティズ・ステートメント」(開かれた社会を有する諸国による声明)だ。この文書の意味は、法治主義や民主主義、言論の自由、人権を無視する中国に団結して立ち向かうことを国際公約した「証文」である。
文氏が渡英する直前、中国の王毅・外相は、韓国の鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官に電話して、「韓国は中国の友好的な隣国であり、戦略パートナーだ。くれぐれもアメリカの偏った動きに惑わされないように、流されないように」と釘を刺していた。青瓦台はこの中国の圧力を隠していたが、韓国の外交専門家は「属国扱いの脅迫だ」と憤慨している。
お土産もなく帰国した文氏は、中国からの報復も覚悟しなければならない。米中韓関係を長年ウォッチしてきた米シンクタンクの研究員はこう語る。
「英語にNavel-gazing(自分のヘソを凝視する=自己陶酔)という表現がある。今の文在寅氏と取り巻きは、まさにそれだ。米中両国の戦略的パートナーに同時になれるはずがないのに、それがわかっていない」
自分のヘソばかり見ていて、国際情勢のヘソがわかっていなかったということか。
■高濱賛(在米ジャーナリスト)
https://news.yahoo.co.jp/articles/ccf288fe97a3450150037ee793a7609e0644e0cd