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苦戦が続くディープインパクトの後継種牡馬たち 避けたいノーザンテーストの〝悲劇〟 父系存続はコントレイル次第か
最高額はキタサンブラックの2000万円。初年度産駒から世界最強馬イクイノックスを送り出したのに続き、2世代目からも皐月賞馬ソールオリエンス、桜花賞2着馬コナコーストが登場。昨年の500万円から、今年は1000万円と2年連続での倍増となった。ただ、現2歳世代は人気を落とした年で、種付け頭数は最少の92頭。産駒は55頭しか誕生しておらず、ここがひとまずの踏ん張りどころかもしれない。
次位は1500万円でコントレイル、エピファネイア、スワーヴリチャードの3頭が並んだ。まだ産駒が走っていないにもかかわらず、今年のセレクトセールで億超えを連発させたコントレイルは、前年の1200万円から300万円アップとなった。一方、エピファネイアは国内最高額となる1800万円を誇っていたが、現3歳世代はモリアーナ(GⅡ紫苑S)しか重賞馬が出ていない。早枯れのイメージを払拭することもできず、こちらは逆に300万円のダウンとなった。
そして、コラソンビートがGⅡ京王杯2歳Sを制し、パワーホールがGⅢ札幌2歳S2着するなど、初年度産駒が予想以上の活躍をみせているスワーヴリチャードが200万円から爆上げ。わずか1世代しか走っていない種牡馬の種付け料がいきなり1300万円アップの1500万円に跳ね上がるとは驚きだ。それだけスタリオンとしても自信があるのだろうが、来年の種付け頭数が何頭になるかは気になるところではある。
ディープインパクトの後継者が次々と移動に…
サトノダイヤモンドとリアルスティールはまだ2世代が出走しただけ。サトノダイヤモンドは初年度産駒の出足の鈍さが響き、今年の種付け頭数が前年の143頭から、58頭と大きく減らしていたため、ある程度は予測されてはいたが、リアルスティールとミッキーアイルはちょっと意外かもしれない。両馬とも今年も100頭を超える牝馬を集めており、人気が急落したわけではない。
リアルスティールはレーベンスティールがGⅡセントライト記念を、オールパルフェがGⅡデイリー杯2歳Sを勝ったものの、クラシックに1頭も送り込めなかったこと、ミッキーアイルに関しては牝馬にしか活躍馬が出なかったことが大きな原因か。ディープインパクトの孫世代はクラシック未勝利でもあり、社台グループにとってディープ系種牡馬の評価は難しい位置にあることが推察できる。
これで社台スタリオンステーションに残るディープ系の種牡馬はキズナ、コントレイル、ダノンキングリーの3頭だけになってしまった。キズナは成績は安定しているものの、牡馬から大物が出ないのが悩みの種。もしもコントレイルが失敗するようなことでもあれば、10度もリーディングサイアーに輝きながら父系が途絶えてしまったノーザンテーストの二の舞いにならないとも限らない。ディープ系存続はコントレイルにかかっていると断言できよう。