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韓国の世界でも類を見ない「ジェンダー対立」韓国男性の性器を卑下し嘲弄する「指ポーズ」とは
今日の韓国社会を貫くキーワードを挙げるとすれば、「嫌悪(ヘイト)」は欠かせない。韓国人自らが「大嫌悪時代」と自嘲する韓国社会では、「南北対立」よりも「南南対立」が深刻になって久しい。
進歩vs保守、男性vs女性、会社vs労組、正規職vs非正規職、老人vs青年などなど、韓国社会全般を分断と対立に追い込む「嫌悪」は、匿名性が担保されるインターネット空間を中心に広がり、社会的共存を脅かしている。
そんな中でも、最近勃発した、オンラインゲーム会社「NEXON korea」をめぐる男性嫌悪vs女性嫌悪の議論は、韓国の若い世代の深刻なジェンダー対立を象徴的に示している。
NEXONは、ソウル大学でコンピューター工学を専攻した故・金正宙(キム・ジョンジュ)氏によって1994年に設立されたオンラインゲーム会社だ。2011年、韓国ではなく日本の東京証券取引所で上場に成功したが、持株会社のNXCを韓国に置き、NEXON koreaを中心に事業展開を行っている。
「風の王国」「メイプルストーリー」「カートライダー」「ダンジョン&ファイター」といった、世界的なヒット作を作り出し、09年以降、韓国NO.1のゲーム会社として君臨している。韓国のゲーム会社の中で初めて年間売上3兆ウォンを達成し、今年は年間売上4兆ウォン突破を目前にしている。
絶好調のこの会社に危機が訪れたのは、野心的にリリースした広報映像に男性を嘲弄する「嫌悪ミーム」が入っているというネット上の炎上騒動がきっかけだった。
11月23日、NEXON koreaは発売20周年を迎えたベストセラー作「メイプルストーリー」のアップデート・バージョンを公開した。アップデートの主な内容は、ゲーム中の人気女性キャラクターである「エンジェリックバスター」(エンバー)のイラストビジュアルやスキルなどのリマスタリングだった。
ところが、リマスタリングされたキャラクターの広報映像を見た一部のゲームユーザーがエンバーの「指」を問題視し、ネット上が一気に燃え上がった。広報映像ですれ違うわずか0.1秒間のフレームに登場するエンバーの指が、男性嫌悪を象徴するポーズだという主張だった。
具体的には、親指と人差し指で何かをつかむような指ポーズだが、これは2015年~2018年までインターネットを中心にラジカルフェミニズム運動を展開した「メガリア」が韓国男性の性器を卑下し嘲弄する意味で作った一種の「男性嫌悪」のネットミームなのだ。
ゲーム業界の動きに女性団体が反発
問題を提起したゲームユーザーたちは、広報映像を製作した下請け業者の担当スタッフの「故意性」を強く疑った。該当スタッフが以前からフェミニストであることを隠さず、ツイッター(X)に「それとなく、密かにフェミニスト活動を続けてやる」という投稿文をはじめ、フェミニストを自任する多数の投稿文を載せたという理由からだ。
オンラインゲームの主な消費層である若い男性を中心にエンバーの指ポーズが「男性嫌悪」という批判が殺到すると、NEXON korea側は素早く対応した。映像が議論になってから1日で該当映像を非公開処理し、会社名義で謝罪文を発表した。
さらに「メイプルストーリー」の総括ディレクターまでが乗り出して、「他人に対する嫌悪を公然と表わす文化とその文化を享有する人々がメイプルストーリーを蹂躙するようなことは絶対に許さない」「現在関連したすべての資料を下げて全数調査を進行中」という謝罪放送を進行した。
しかし、怒れる男性たちはここで止まらなかった。「ダンジョン&ファイター」「ブルーアーカイブ」など、NEXONの人気ゲームから件の指ポーズを捜し出して問題提起しただけでなく、カカオゲームズ、スマイルゲートなど他のメーカーの人気ゲームの中からも次々と問題となる指ポーズを発掘したのだ。
怒った男性消費者らの「指ポーズ狩り」の狂風にゲーム業界は相次いで頭を下げなければならなかった。広報映像を製作した下請け業者側も謝罪文を改題し、「該当アニメーターの作業を中断する」と明らかにした。
すると今度は女性界と労働界が強く反発した。
女性団体と民主労総などはNEXON korea本社ビル前で抗議デモを実施し、「『フェミニストに対する魔女狩り』『女性排除』『女性嫌悪』に反対し、このような事態を拡大させたNEXON koreaの無責任かつ無知な方針を厳重に糾弾する」「NEXON koreaは時代錯誤で反民主的な嫌悪扇動への同調を止め、女性フェミニスト市民の前に伏せて謝罪せよ」と主張した。
続きはソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/a7a95f218bb789812935575d91adf357c17112ef?page=1