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新型EV「コナ」投入、韓国ヒョンデの日本での勝算 価格と性能のバランスに自信示すも厳しい現実
韓国の現代(ヒョンデ)自動車は、グループで世界販売684万台(2022年)を誇る世界3位の自動車メーカーだ。昨年2月に日本の乗用車市場への再参入(2009年に撤退)を発表、EVとFCV(燃料電池車)に絞ってオンラインのみで販売してきた。
昨年5月にはEVの「IONIQ 5(アイオニック 5)」とFCV「NEXO(ネッソ)」を投入、日本向けEVの第2弾として11月に投入したのがコナだ。今年3月にフルモデルチェンジしたばかりで、グローバルでは内燃機関(ICE)、ハイブリッド(HV)、EVを展開しているが、日本で販売するのはEVモデルのみとなる。
(略)
これまでのところ両者とも苦戦している。今年1月から10月末までのヒョンデの販売台数はアイオニック 5とネッソの2車種を合計しても383台、同じ期間のBYDはドルフィンを含む1020台。BYDが2倍以上売れているのはディーラー店舗による効果かもしれないが、ともに絶対水準は低い。
もともと日本は海外の自動車メーカーにとってとりわけ厳しい市場だ。年間の新車販売に占める輸入車の比率は6%弱(2022年)。この比率は長年大きく変わっていない。しかも、そのうち3分の2以上はドイツ車が占める。ブランドが浸透していないアジアメーカー、しかも参入したばかりの両者の台数が苦戦するのは当たり前だ。
加えて、EV自体が日本市場でまだ受け入れられていない。昨年度の日本の新車販売におけるEVの比率は1.9%。もっとも売れたのは日産の軽EV「SAKURA(サクラ)」で3.3万台、2位の日産「リーフ」が1.2万台。トヨタ自動車の「bZ4X」は926台だった。
十分に健闘している?
日本での販売チャネルも、ブランド力も段違いの日本勢のEVがこの程度しか売れていない現実を考えると、ヒョンデも、BYDも、十分に健闘していると言えるのかもしれない。
一度撤退した日本市場。EVのみ、オンライン販売のみで攻略する難しさをヒョンデは当然承知している。それでも「日本で培ったノウハウは資産となる」(趙CEO)と挑戦する姿勢は崩さない。
自信作のコナは起爆剤となるか。