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中国、中国経済について弱気な発言禁止
中国政府が高給で知られる銀行員に対する締め付けを続ける中、国内トップクラスの投資銀行がアナリストに対し、中国経済について弱気な発言をしないよう、またぜいたくなライフスタイルを誇示しないよう求めた。
中国国際金融(CICC)のアナリストは経済や市場について否定的なコメントをすることを公私いずれの場でも禁じられ、高級ブランドを身に着けたり、第三者に報酬を明らかにしたりすることも禁止された。リサーチ部門に11月送付された行内文書の内容をブルームバーグ・ニュースが確認した。
中国当局は今年、銀行員の「享楽主義」的なライフスタイルを批判し、共産党の習近平総書記(国家主席)が進める「共同富裕」(共に豊かになる)運動に従うよう銀行員に命じた。一方で、世界2位の経済大国である中国が、透明性の高いデータ・調査へのアクセスをますます制限しているという海外投資家の懸念も強まっている。
中国を外国資本にとってより魅力的な投資先にすると表明している習氏だが、一部経済統計の入手を規制し、世界のファンドマネジャーが中国で投資判断を下す手助けをするコンサルティング会社を取り締まっている。
中国に関する否定的見解に対し最近起きた反発の一例として、ゴールドマン・サックス・グループのアナリストが中国の銀行について弱気なリポートを7月に発表すると批判が殺到した。
CICCにコメントを求めたが、返答はなかった。
CICCの行内文書はアナリストに対し、ソーシャルメディア上で慎重にコメントし、政治的にセンシティブな内容の投稿や共有を避けるよう要請。また、共産党トップらの考えを研究するような党の活動にも「積極的」に参加するよう義務付けている。
政府の方針と矛盾する発言は避けなければならず、ソーシャルメディアの「微信(ウィーチャット)」で未発表の見解やリポート全体を共有せず、全ての投稿を業務に関連したものにするよう求めているほか、家族に基本的な道徳基準を守らせるようにとの指示もあった。
ブルームバーグ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-11-30/S4WW48T1UM0W01