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東京女子医大が学費値上げで偏差値急落…OGの開業医「もし早稲田大への身売りが実現すれば”早稲田大医学部卒”とHPに書ける」
「私大医学部31校中、飛び抜けて学費が高い2校には共通点がある」と話すのは文部科学省高等教育局の職員。その2校とは川崎医大(6年間の学費4736万円)と東京女子医大(4621万円)。29位の金沢医大(4044万円)を大きく引き離している。共通しているのは「いまだに創立一族の支配が続いている」という点だ。川崎医大を運営する川崎学園の川崎誠治理事長は創立者の孫。東京女子医大の岩本絹子理事長も創立以来専制を敷く吉岡一族の末裔だ。「経営に偏重するあまり、優れた学生を集めようとする意識に欠ける」と文科省職員は苦言を呈する。特に問題が多いのは東京女子医大だと指摘する。
中国地方唯一の私大医学部の川崎医大は「開業医の子弟の受け入れ先として53年前に新設された」(元岡山支局記者)のに対し、東京女子医大は123年前に開校した名門。心臓病治療でもリードしてきた。
■6年間の学費を一気に1200万円引き上げる
だが、近年は付属病院で医療ミスによる死亡事故など不祥事が相次ぎ、患者数が激減。経営の悪化が表面化していた。そのしわ寄せが大学にも及び、「学生たちに転嫁するという暴挙に出た」(前出・文科省職員)のである。21年度の新入生から6年間の学費を一気に約1200万円も上げたのだ。
「それ以前から人気は下がりだしていたものの、偏差値60台半ばは保っていた。しかし、学費の大幅値上げで偏差値は急落し、60を切るまでになってしまった」(医学部予備校スタッフ)
偏差値では常に最下位の川崎医大にも迫る凋落ぶりだ。しかも、付属病院からは待遇が急に悪くなったことに不満を持つ医師や看護師が次々に退職。さらに患者数が減る悪循環におちいっている。厚生労働省の関係者からは「もはや医療機関としてのていをなしていない」との厳しい声も聞かれる。
大学のブランド力も地に墜ち、歯止めがかからない。そうした状況を憂うのはOGたちだ。「恥ずかしくて、自分の出身大学もいえない」と嘆くのは首都圏で小児科を経営する40代の開業医。ホームページのプロフィール欄に「東京女子医大卒」と記していたが、その記述を削除したという。
「日本唯一の女子だけの医学部ということにかつてはプライドを持っていた。でも、もはやその役目は終わったと思う。うちの中学生の娘も医学部を目指していますが、東京女子医大を勧めることは決してない」
同大は現在、早稲田大と「連携先端生命医科学研究教育施設」や「大学院共同教育課程」を開設するなど、多方面で協調路線をとっている。その密接な関係から、医学部のない早稲田大に身売りするのではという説がたびたび浮上する。「もしそれが実現すれば”早稲田大医学部卒”と書ける。そちらのほうがよほどうれしい」と小児科開業医。もはや、母校への愛着はまったくないようだ。
11/26(日) 9:06