松本人志からのしゃれた褒め言葉に喜ぶ。キングオブコント王者・サルゴリラ、幼なじみの二人で歩んだ40年

松本人志からのしゃれた褒め言葉に喜ぶ。キングオブコント王者・サルゴリラ、幼なじみの二人で歩んだ40年

松本人志からのしゃれた褒め言葉に喜ぶ。キングオブコント王者・サルゴリラ、幼なじみの二人で歩んだ40年

キングオブコント2023』で史上最高齢の44歳で初の決勝進出。その勢いのまま優勝を果たしたサルゴリラ(赤羽健壱、児玉智洋)。4歳からの幼なじみは出会って40年、芸人になって20年で王者にたどり着いた二人のこれまでを振り返る。

松本人志からのしゃれた褒め言葉

──『キングオブコント2023』決勝から数日経ちましたが(取材は11月上旬)、いまお二人はどんな状況ですか?

児玉智洋(以下、児玉):決勝前には考えられないようないろんな番組に出させてもらっていますけど、まだ興奮状態で。芸能人の方にお会いして「うわ、すげえ」と思ったりすることの連続で、全然冷静に考えることができていないですね。

赤羽健壱(以下、赤羽):後々振り返ったら「あの頃はすごい期間だった」と思うだろうな、という日々を過ごさせてもらってます。

──決勝後、松本人志さんとも食事会をされたとか。どんな言葉をかけられましたか?

児玉:松本さん、ふだんはあまり自分が出ている番組を見ないらしいんです。でも、今年のキングオブコントについては「今回は録画すればよかった」と言ってくださって。

赤羽:褒めてくださる言葉がおしゃれですよね。そんなふうに表現してくれたこともうれしかったです。

児玉:エレベーターに一緒に乗ったんですけど、松本さんが流れで僕の肩をやさしく拳で叩いてくれたんですよ。それはもう、「うわあ!」となりました。

赤羽:横で見ていて「友達が松ちゃんに肩叩かれてる! すげえ!」と思いました。

児玉:もうそれだけでめちゃくちゃうれしかったですね。

◆楽しいだけで仲良しトリオを組んだ

──お二人は幼稚園からの幼なじみで、お笑い養成所にも一緒に入ったそうですが、コンビではなくて、トリオとして芸人人生をスタートされたんですよね?

児玉:NSC(吉本の養成所)在学中に滝野元気という男と3人で「ガッチャ」というトリオを組みました。NSCで出会って仲良くなって、ずっと3人でいたんですよ。一緒にいるのが楽しいから、そのままトリオ組もうって。

赤羽:深く考えて決めた感じじゃなかったよね。本当にノリで。

児玉:僕ら東京出身なので、芸人になろうと思ったときも「強い決意を持って上京する」とかがなくて。ただ楽しいだけで進んできちゃったんですよね。

赤羽:滝野は京都の人で、関西弁ツッコミがめちゃくちゃうまくて。僕らがわーっとふざけているところに滝野がツッコんでくれるのが、いままで体験したことがなくて楽しかったんですよ。だからふだんの会話をそのまま漫才にしてやっていました。

◆解散というより僕ら2人が脱退した

──ガッチャはなぜ解散することに?

赤羽:NSCトーナメントで優勝して首席で卒業して、1年目からルミネtheよしもとスタートすることになったんですよ。

児玉:ちょっとエリートだったんだよな。でもなんか、僕がだんだん恥ずかしくなってきちゃって。歌を歌いながら登場するんですけど、それがつらくて……いや、もともと僕が考えたんですけど(笑)。だから抜けたいと。

赤羽:それを聞いた僕が、「トモがこう言ってるけど、説得してみるわ」と滝野に伝えたんです。だけど3人で集まったとき、僕は覚えていないんですけど、滝野によれば「僕はトモとやるつもりだから、僕も抜ける」と言ったらしくて(笑)。だから解散というより……。

児玉:そう、僕ら2人が脱退したという形ですね(笑)

──赤羽さんとしては、児玉さんが抜けた状態で続ける気はなかった、あくまでも児玉さんと一緒にやりたかったということですね。

赤羽:はい、もちろん。

児玉:解散後、一瞬だけ2人で「トブトリ」というコンビを組んだんですけど、すぐに松橋(周太呂)と3人でジューシーズになりました。

◆負けん気で面白いことはできない

──「トブトリ」のまま、2人でやっていくのは難しかったですか?

赤羽:僕ら、「このままじゃ難しい」とか、そんなことあまり考えたことがなくて。トブトリではコントをやっていたんですけど、ネタ合わせのときにトモが「ここでもう1人出てきたら面白いな」とよく言っていて、その流れで1人入れようか、と。

児玉:そうですね。あと松橋ともすっごく仲良くて、面白いなと思って。家も近かったし、2人で一緒にバイトもしてたし。なんか、仲いい人を入れちゃう癖があるのかもしれない。

赤羽:よくないな。もうやめてよ、これ以上、仲いいおじさん入れないでよ(笑)

児玉:2人だけだとちょっと自信なかったというのもあるかもね。

赤羽:そうだね、2人とも引っ込み思案でもあったし。

◆調子がよかったジューシーズも解散に…

──松橋さんとのトリオジューシーズは深夜番組のレギュラー番組も持っていましたし、人気もありましたよね。

児玉:だいぶ時間はかかりましたけど、調子はよくなっていきましたね。でもたぶん途中から3人とも解散したい気持ちがあって、だからレギュラー番組が終わってすぐに解散しました。

赤羽:単純に方向性が違ってきちゃったから。でも3人ともポジティブな気持ちで解散しましたよ。

◆楽しいときのほうが面白いことができる

──ふたたび2人になって、サルゴリラとして再スタートを切るわけですね。

赤羽:「37歳でまた1からって大変だよね」とか言われましたけど……。

児玉:でもそんなこと考えてなかったよね。楽しくやろうということだけ。

赤羽:ジューシーズは、わりと根詰めてやっていたんですよ。

児玉:周りがどんどん売れていくなかで、ネタをどんどん叩いていかなきゃって。松橋がリーダー的に引っ張っていって、俺らがついていく感じでした。だから松橋はたいへんだったと思います。でもその分、ちょっと楽しさは少なかったのかもしれない。

赤羽:サルゴリラになってからはずっと楽しくやれてます。

児玉:僕ら、自分たちではゆるいつもりは別にないんですけど、周りからこれだけ言われるということはきっとそうなんでしょうね。ただただ「周りに負けないように」とやっていくのが合わなくて。負けん気で奮い立つタイプではなくて、楽しいときのほうが面白いことができるんですよ。だから2人になったからには楽しさは最優先にしようと思いました。

◆児玉にしかできないコントルール

──『キングオブコント』決勝で披露した2本のネタについて聞かせてください。1本目の「ルール」には、似たパターンの、マジシャンではなく催眠術師のネタもありますよね?

赤羽:はい。今回、2本目に披露した魚のネタはもうやると決めていたんです。でも、もう1本、「ルール」と「催眠術」で最後まで迷っていて。僕は「催眠術」派でした、荷物が少なくて済むので(笑)

児玉:この理由、衝撃でしたよ。ネタ選びの真剣な会議で「『ルール』だと荷物多いから、『催眠術』にしよう」って(笑)

──決勝後の配信やインタビューで「手が震えていたことに自分たちで気づいていなかった」と話されていましたが、あれだけ小道具を使うコントはそれだけ段取りも多いし、決勝で披露するのは怖くないですか?

児玉:怖いですよ。配置から何から、めちゃくちゃ決まりごとが多いコントなので。

赤羽:あれ、トモしかできないよね。

児玉:まあ、俺がやりやすいようにやっているので。カードを醤油の下に入れるとか、いろいろポイントがあるんですけど、とにかく段取りがありすぎてボケに集中できないんですよ。だからこのネタは2年前にできてからずっと、何も考えなくても手が動くまでめちゃくちゃ練習してきました。

◆決勝で泣く泣く削ったセリフ

──とても細かい話ですが、去年の準決勝や普段のライブでは、いちばん最後にマジシャンプロデューサーに「あと、原付で行きます」というセリフを言っていましたよね? あれが好きで。あのマジシャン、原付で移動してるんだ、と。

児玉:あ、本当ですか。あれ、残すか迷ったんですけどねー! 金属バットもあのセリフが好きだと言ってくれて、めっちゃうれしかったんですよ。

赤羽:本当は入れたかったけど、尺の制限もあるから泣く泣く削りました。劇場でネタをやるときはもっと入れることもあるんですよ。「おばを招待したい」とか。

児玉:「原付で行きますので、許可証もらえますか。野村のぶゆきです」と本名を言ったりとか。あそこ、好きなんですよ。

◆舞台袖の声に助けられた

──お二人はネタ合わせのとき、台本から外れたセリフを言い合って気持ちをほぐすと話されていましたね。

児玉:そうです。といっても天才じゃないんで、そんなにどんどん違うセリフが出るわけじゃないですよ? ただ、2人で遊びながらネタ合わせをすることで緊張がほぐれる。その中から使えるセリフが出てきたりもします。本番でやった「少し考えごとしておきます。午前中に区役所行って……」というセリフも、準決勝当日、出番直前のネタ合わせで出てきたもので。

赤羽:そうそう。

児玉:準決勝ではその部分、全然ウケなかったんですよ(笑)。でも舞台袖の芸人がすごく反応してくれたから、決勝までにいっぱい試して残しました。

◆「まだ明日頑張れるぞ」と思った芸人の一言

──優勝を決めた2本目の「青春」、通称「魚」のネタは一転、ただお二人が話しているだけというストイックなコントですね。小道具をたくさん使って段取りがたくさんあるものと、身ひとつ、会話だけで展開するものと、両極端なことをされているなと。

赤羽:決勝では「ルール」で児玉のキャラが浸透したうえで「魚」をやったので、ベストな順番で披露できたと思います。でも準決勝は、出場芸人の中で1日目が今年の新ネタ、2日目が既存のネタという流れがなんとなくあるんですよ。全然決まっているわけじゃないし、誰が言っているわけでもないんですけど。だから僕らも1日目に「魚」、2日目に「ルール」をやったら、1日目は少しウケが弱い感じがして。

児玉:そう。準々決勝で「魚」がすごくウケたから、いける! と思って1日目に持っていったんですけど、体感として準々決勝よりウケが弱くて。でも舞台袖に戻ったら、レインボージャンボたかおが「ソデ、大爆笑でしたよ」と言ってくれたんです。そこで救われて「まだ明日頑張れるぞ」と思ったんですよね。

赤羽:首の皮一枚繋がったなって。

──舞台袖の芸人さんの影響はそんなに大きいんですね。

赤羽:ああ、たしかに。

児玉:いつも袖の芸人に助けられていますね。

<取材・文/釣木文恵 編集/アライユキコ 撮影/林紘輝>

【サルゴリラ
1979年生まれの児玉智洋と赤羽健壱によるコンビ。ともに東京・高円寺で生まれ育ち、幼稚園で出会う。高校、大学はそれぞれ別の学校に進学するも交流は続き、ともにNSCに入り、2005年から2015年までジューシーズとしてトリオで活動。2016年からサルゴリラとしてコンビで活動。2019年ライスしずる、作家・演出家の中村元樹とともに演劇ユニットメトロンズの活動もスタート2024年1月にはメトロンズの第6回公演が控える

【釣木文恵】
ライター名古屋出身。演劇、お笑いなどを中心にインタビューレビューを執筆。X(旧Twitter):@troookie

サルゴリラ・赤羽健壱さん(左)、児玉智洋さん(右)

(出典 news.nicovideo.jp)

サルゴリラは、吉本興業東京本社(東京吉本)に所属する日本のお笑いコンビ。NSC東京校9期出身。キングオブコント2023王者。 前身となるトリオ「ジューシーズ」についても本項にて記述する。 赤羽 健壱(あかば けんいち、 (1979-04-06) 1979年4月6日(44歳) – ) 主にツッコミ担当。…
15キロバイト (1,486 語) – 2023年11月12日 (日) 05:48

(出典 www.m-1gp.com)
お二人の掛け合いやシュールなネタ、そしてお互いへの信頼と尊敬が伝わってきます。これからもずっとお二人の活躍を応援しています!

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