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なぜ巨人は“FAで行きたくない球団”になってしまった? 「職場環境を重視する選手の増加」が背景に
「FAを含む今年の移籍市場は駒が豊富といわれていますが、阿部慎之助新監督で4年ぶりV奪回を狙う巨人の出足が鈍いですね」
と全国紙デスクが語る。
「アメリカでくすぶっている筒香嘉智内野手(31)がメジャー復帰を目指し、かの地にとどまることを宣言。秘かに狙っていた楽天の松井裕樹投手(28)にもメジャー挑戦を表明されてしまいました」
特に衝撃だったのは、広島の西川龍馬外野手(28)だ。
「過去、川口、江藤、大竹、丸ら広島選手はFAで巨人に移るケースが目立ちましたが、彼は『セ・リーグに行くことはない』と明言し、巨人を門前払いしました」
吉村禎章編成本部長は今月10日、FA市場について「全員調査している」と述べたが、最大の補強ポイントが防御率リーグ5位に沈む投手陣であることは衆目の一致するところ。巨人も自覚していて、既に3投手をトレードで獲得している。
その投手で、めぼしいFA宣言者を挙げてもらうと、
「人的補償が不要なCランク選手のオリックス・山崎福也(31)。かつて巨人は実父をコーチで雇い、『FA獲得の布石か』とささやかれましたが、ヤクルトとDeNAがリードしています」
また、阿部監督と同じ千葉県出身の日本ハム・加藤貴之(31)や、巨人からヤクルトにトレードされた田口麗斗(28)はいずれも権利行使せず残留を決めた。
「他に西武の平井克典(31)、DeNAの石田健大(30)らが宣言していますが、巨人の動静は伝わってきません」
職場環境を重視する選手が増加
かつてはFA戦線の主役だった巨人が、近年なぜ苦戦するようになったのか。
「カネにモノを言わせていましたが、最近はソフトバンクやメジャーに太刀打ちできなくなった。加えて、職場環境を重視する選手が増えたのが大きい。前任の原監督時代は好き嫌い人事や使い捨て起用が常態化していましたし、阿部新監督にしてもパワハラ気質が懸念されていますから」
球児の憧れだった巨人は、今や“誰もが行きたくない球団”になってしまった。
「巨人にFA移籍して成功した例も少ないですしね」
逆転ホームランは出るか。
「週刊新潮」2023年11月23日号 掲載
https://news.yahoo.co.jp/articles/e2bfc862d4b19532a8d515b0997c0b9d83ef3b5d